「あった方がいい病」が組織の生産性を低下させる 優秀な管理職は「引き算」発想で仕事を取捨する

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会議への出席者の人選は、ポジションが高くなっていくとよりシビアになります。ある外資系企業の月例戦略会議で、毎回、ほとんど発言をしない部長が、アメリカ人社長の「No contribution(貢献していない)」のひと言で会議メンバーから外されたうえ、降格させられたという話を友人から聞きました。

部門の代表として会議に貢献できないのであれば、身の丈に応じた仕事をやれということです。もちろんそこに「いた方がいいから」などという発想はみじんもありません。

「あった方がいい」は本当に必要か

日本のビジネスシーンでよく見られる、下記のような「あった方がいい」は本当に必要でしょうか。

〇参考になるかもしれないので会議に参加させておいた方がいい。
〇勉強になるかもしれないので彼も同席させておいた方がいい。
〇不満が出ないように全員の意見を聞いておいた方がいい。
〇万一のときのために、この資料も用意しておいた方がいい。
〇メールを打ったが、念のために電話で確認しておいた方がいい。
〇この機能は便利だから付けておいた方がいい。

上司は部下の時間を預かっています。そこで、もしかしたら自分が、「あった方がいい」で部下の時間を奪ってはいないだろうかと、時々自問してみることが必要です。そのような視点で仕事を見ていくと時間の価値に対する感覚が研ぎ澄まされ、仕事の密度が高まっていきます。

櫻田 毅 人材活性ビジネスコーチ

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さくらだ たけし / Takeshi Sakurada

アークス&コーチング代表。九州大学大学院工学研究科修了後、三井造船で深海調査船の開発に従事。日興證券(当時)での投資開発課長、投資技術研究室長などを経て、米系資産運用会社ラッセル・インベストメントで資産運用コンサルティング部長。その後、執行役COO(最高執行責任者)として米国人CEO(最高経営責任者)と共に経営に携わる。2010年に独立後、研修や講演などを通じて年間約1500人のビジネスパーソンの成長支援に関わる。近著に『管理職1年目の教科書』(東洋経済新報社)がある。

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