どんなルートがある?東南アジア「国際列車」事情 中国ラオス直結の一方、ほかの国境は縮小傾向
ラオス―タイ間は、ラオスの首都ビエンチャン郊外のタナレーン(Thanaleng)駅とタイのノンカイ(Nong Khai)駅間を結ぶ短距離の国際シャトル列車が走っている。この区間はタイ国鉄が運営しており、長らく日本製のディーゼルカーによる運行だったが、2023年現在は冷房なし客車とコンテナ貨車をつないだ列車が1日2往復走っている。

世界の鉄道ファンが、「内陸国のラオスに鉄道ができて、これで中国からシンガポールまで列車で行ける」と喜び勇んだものの、LCRのビエンチャン駅とタナレーン駅とは20km以上離れており直接の乗り継ぎはできず、しかも両駅ともビエンチャン市街地から遠い。そんな事情もあり、タイからの列車がビエンチャンの中心部まで乗り入れられるよう、新駅の建設が進んでいる。それでも、LCRとタイ国鉄の駅は隣接しない。
わずか5分「世界最短の国際列車」
タイのバンコクからマレーシア方面へは、1日1往復の長距離列車がマレーシア側にある国境駅、パダン・ベサール(Padang Besar)までを結んでいる。国境駅までの列車はこの長距離列車を入れても1日3往復で、ほかの2往復は南部のハートヤイ発着だ。

ややこしいのは、国境を挟んで両国に同名のパダン・ベサール駅があることだ。2つのパダン・ベサール駅の間は所要2分。タイ側は有人駅ながら単線で、いかにも辺境の風情を感じるが、マレーシア側は跨線橋のある近代的な造りで貨物ターミナルや旅客列車の車庫もあり、電車が発着。規模感が全く異なる。出入国審査などの機能もマレーシア側の駅にある。
マレーシアの鉄道は電化などの近代化が進んだ一方、旅客列車の国際間直通は縮小した。前述の通り、かつてタイ―マレーシア―シンガポール間は長距離列車を1度乗り継ぐだけで移動できたが、現在はマレーシア―タイ間はパダン・ベサールで乗り換えとなる。
ところが、マレーシア国鉄では連休に合わせて、クアラルンプールとハートヤイを結ぶ臨時の夜行列車を運行することがある。筆者はコロナ禍明けの初便が走った2022年9月15日、クアラルンプールのKLセントラル駅で臨時列車を見送った。数年ぶりのタイ行き直行列車の復活だったこともあり、利用客は皆、鉄道旅行ができる嬉しさを隠せない様子だった。発売された寝台券はあっという間に売り切れたという。
マレーシア―シンガポール間も、国境の前後をつなぐ列車「テブラウ(Tebrau)シャトル」が走るにとどまる。この列車はマレーシア側の国境の街、ジョホール・バルのJBセントラル駅とシンガポール国内のウッドランズ駅を結ぶが、線路はすべてマレーシア国鉄の所有だ。所要時間はわずか5分で「世界最短の国際列車」となっている。ジョホール・バルの線路ぎわには、シャトル便の発車から目的地到着までの全部を見通せるポイントもある。

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