しかし、命題の「逆」は真とは限りません。
20歳以上であってもアルコール飲料を飲んでいるとは限らないため、28歳の人を確認する必要はないのです。また、ジュースを飲んでいる人を確認するということは、命題の「裏」を確認することであり、「アルコール飲料を飲んでいないならば、20歳以上ではない」ということになります。
しかし、命題の「裏」も真とは限りません。
ジュースを飲んでいる人であっても、20歳以上である可能性はあるため、ジュースを飲んでいる人を確認する必要はないのです。
「かっこいいから彼女がいる」は本当か?
世の中には、非常にわかりづらく直感に頼ったのでは判断を誤ってしまう例があふれています。
たとえば、カフェで周りの人の雑談を聞いていると、「あの人はかっこいいから、絶対彼女がいるよ」といった言葉を耳にしたりします。これは正しいといえるでしょうか。
これを命題とみなして対偶をとると、「彼女がいないから、あの人はかっこよくない」となりますが、これはおかしいと多くの人が感じると思います。「彼女がいない」けれど「かっこいい人」なんていくらでもいるので、この命題の対偶は偽。すなわち、もともとの命題も偽になります。
しかし、会話の中で「あの人はかっこいいから、絶対彼女がいるよ」と言われたら、なんとなく「そうだよね」と同意してしまうのではないでしょうか。
このような発言は、日常生活の中でも頻繁にみられます。
たとえば、SNSを見ていると、「そんなこと、誰も言っていない」と思うような議論の場面に遭遇することがよくあります。そんなときは、その発言をそのまま鵜呑みにすることなく、ぜひ対偶法を使って論理的に考えてほしいと思います。
対偶を考えてみることで、その発言の真偽がより明確になります。なので、「それって本当だろうか?」と疑問に思ったときには、ぜひ対偶法で考えてみてください。
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