小名浜港の機能停止と原発の風評被害に悩むいわき市、物資不足解消進むが介護施設の人不足続く【震災関連速報】


 しかし、回路の受け入れ基地である小名浜港は、地震、津波の被害が甚大で港湾機能を半ば喪失していると言っていい状況だ。そのままでは、海路からの石炭、原材料などの供給は期待できない。

「是非とも、国には小名浜の港湾機能の復興を急いでほしい」

それだけではない。下山田さんは製造業分野にはもうひとつ心配事があると言う。

「いわき市内で製造された製品、部品は放射線の汚染水を浴びているのではないかということで既存の取引先から制限されかねない気配がある」ことだ。

「入りの問題は改善したが、出の問題が深刻。どうか、風評に惑うことがないようにしてほしい」

下山田さんは真剣に訴えている。

一方、市内で発生していた断水は大幅に改善した。1日現在で市内の75%の地域で水道は復旧した。残ったのは被害が甚大だった地域。たとえば、既報した久之浜地域(原発の30キロメートル圏近く)などには自衛隊が給水活動にあたっているほか、茨城県坂東市などから給水車が応援にきている。

ゴミの収集も今週から通常通りの全面再開となるほか、医療分野では一時、非難していた病院、診療所関係者が市内に相当、戻ってきている。あとは、下水道の再開が残されており、徐々に再開しながら、パイプ漏れなどがないかどうかをチェックしていくことになりそうだ。

また、被災者を受け入れる住宅施設については、雇用促進住宅の募集をいわき市が独自で決定し実施しているほか、民間住宅の借り上げにも動いている。

つまり、生活インフラはかなり復旧してきたわけだが、下山田さんが顔色を曇らせたのは介護施設の人で不足だ。「介護ボランティアの力を借りているが厳しい。職員たちには早く戻ってきてもらいたい」と話している。
(浪川 攻 =東洋経済オンライン)

(写真は小名浜港)

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