鉄道旅行の友「海外の小ホテル」今はこう泊まる 宿へ直接行って「今晩泊まれますか」は過去の話
しかし、ネット予約万能になった現代でも、現代なりのコツのようなものがある。とくに、ネット万能になる以前に個人旅行に慣れていた人ほど戸惑うことが多くあるかもしれない。
かつてと大きく変わったのが、小規模な宿泊施設では、レセプション(海外では「フロント」とは言わない)に常時スタッフがいる宿が少なくなったことだ。もっとも注意しなければならないのが「チェックイン可能時間」である。それなりの規模の宿であるにもかかわらず、チェックイン可能な時間が17~19時の2時間などということもある。
しかし、空路その土地に到着して宿へ向かう場合など、航空機の遅延などで何時に宿に到着できるか予測できない。到着時刻が流動的な場合は「24時間チェックイン可能」などの宿を選択しなければならない。
チェックイン時間が短くなっている要因として、スタッフの合理化が考えられる。チェックイン時間を短くし、その他の時間も宿にスタッフはいるものの、部屋の点検や清掃なども行うのである。ずばり夜間などはスタッフがいなくなる宿も多い。チェックイン可能な時間外になる場合、時間を決めてメールなどで交渉することは可能なことも多い。チェックイン可能な時間が長い宿でも、実際はレセプションにスタッフはおらず、インターフォンなどで呼ばなければならないこともある。朝から晩までレセプションに人がいて、終日「いらっしゃませ」という宿はかなり大きな規模のホテルのみとなっている。
「チェックイン」というより「待ち合わせ」
ワルシャワ(ポーランド)の宿では宿泊2日前あたりから「何時にチェックインするか教えて欲しい」というメールが届き、「まだ分からない」と返事をしておいたが、前日にまた同じ内容のメールが届いた。そこで当日、ワルシャワ行きの列車に乗った時点で、グダニスカ駅(ワルシャワへ到着する列車の駅)への到着時刻を宿に知らせたところ、「駅から何番のトラムに乗ってどの停留所で降りて」と、詳細な案内メールがすぐ届いた。「チェックイン」というより「待ち合わせ」の雰囲気である。
スタッフは、私がチェックインを終えればその日の業務が終了ということで私の到着を待っているのである。私が到着し、部屋に荷物を置いて食事に外出しようとしたら、レセプションはすでに無人だった。
韓国では宿にチェックイン後、部屋に荷物を置き、宿の近くに食事に行った。すると客の1人が私に手を振っている。見れば宿の主人である。彼は「あなたが今日最後のチェックインの客だ」といって寛いでいた。
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