グローバル時代の成功のカギはダイバーシティ~「アジア内需」のチャンスを活かす《1》アジアに広がる新たな巨大市場
2)中間所得層の増加
日本を除くアジア主要国の中間所得層(世帯可処分所得5000ドル以上3万5000ドル未満)人口は、10年の9.4億人から20年には約20億人と飛躍的に拡大すると予測されている。現時点ではあまり物を所持していない低所得層の人々は、所得が上昇するにつれ、多くの物を買う意欲が強くなる。消費意欲旺盛な中間層が増え、個人消費が大きく伸びることで、さまざまなビジネスチャンスが広がっていくのだ。
3)若い人口構造
高齢化する日本とは対照的に多くのアジア諸国の国民は若く、人口の半分は30歳未満である。豊富な安い労働力と共に大規模な消費者が存在し、当面の継続的な成長が見込まれる。
4)低い1人当たりGDP
たとえば、10年に日本を抜き世界第2位の経済大国となった中国の1人当たりGDPは日本の10分の1だ。低い1人当たりGDPは、将来に向けての伸びしろが大きいことを示す。さらなる経済発展で1人当たりGDPが増加すれば消費行動はそれまでと大きく変わる。企業は変化する消費行動を認識し、的確に対応していくことにより、大きな成功をつかむことができる。
さて、10年度の主要アジア諸国のGDP成長率は8.8%。11年も7.3%成長の見通しと引き続き好調を維持する。アジアはこれまでの高い成長が続いているだけではなく、今後もさらなる発展が見込める。そのため、日本のみならず世界中から大きく期待されているのである。
日本がこうした「アジア内需」を国と企業の成長に取り込むために不可欠なのはグローバルな人材だ。
しかし、アジアは欧米よりはるかに多様な社会である。そのため、アジアで成功するためのグローバル人材活用には異なる国籍、言語、民族、宗教、生活習慣などを理解し受け入れ、多様性を効果的にまとめる力が求められる。
日本企業はアジアの幅広い多様性に柔軟に対応し、多種多様な人材をベストに活用することにより、グローバルな土壌において企業と個人の成長が達成できるのである。
パク・スックチャ
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