企業は事業継続のための計画(BCP)と投資を積極化せよ

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 たとえば、福島第一原発の事故を発生させた東京電力ではどうだったのか。原子力発電所には、「多重防護」と称されるリスク管理体制が必要とされている。東京電力自体にも、電力の安定供給という本業継続のための実効性ある計画と体制整備が求められていた。

目下のところ、原発事故という危機を脱することに経営資源を集中せざるをえないし、社会もそれを期待している。しかし、東京電力はいずれ、この問題への明確な回答を迫られることになる。

東京電力の原発事故の陰に隠れた感があるが、重大なシステム障害を発生させたみずほ銀行も同様である。この2社の事例を見れば、「想定外の」などとお茶を濁すことなく、あらゆる企業や公的機関で、BCP体制のチェックがなされるべきであることは明らかだ。

BCPの構築を、大企業が集積している首都圏を前提に考えてみたい。今回の震災では、東北地方のような甚大な被害は免れたにもかかわらず、電力問題の打撃をかなり受けている。仮に、小泉政権下で議論されたような首都直下型地震が発生したら、混乱は今回の比ではない。

中でも、経済活動や行政機能などが集中する東京・千代田区、中央区でのBCPを考えると、いささか不安を禁じえない。

第1には、やはり、電力供給の問題がある。電力は東京以外の地域に設置されている発電所から高圧線を経由して、都心の変電所に送電されている。そして、変電所から企業などに電力が送られる仕組みとなっている。問題なのは、千代田区や中央区などに電力を供給する変電所は一つしか設置されていないことだ。したがって、この変電所の機能が停止すると、電力供給はストップしてしまう。

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