「コンゴ民話」に日本アニメを足すとどうなるか アフロ系アニメ「アフリメ」を始めた彼らの思い

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「なんせアニメは世界規模ですから。全アニメの35%~40%は黒人やラテン系の視聴者によって消費されています」。同氏自身のようにアニメに魅了される人々が大勢いることを知る中で、テリー氏は日本文化だけでなく、視聴者自身の文化や物語を反映したアニメの需要に応えようと考えたわけだ。

一方で、「日本の視聴者もそうした人々の物語に興味を持つと思う」とテリー氏は見る。「なぜならこれらはファンタジーや伝承にまつわる物語で、子どもたちが困難を乗り越えたり、冒険に出たりします。こうしたテーマは日本アニメにはすでにあるのですが、異なる人種の人々が同じ経験をする様子を日本の観客たちが観ることが文化の懸け橋となるのです」。

アメリカで知った日本のアニメのすごさ

岡山で生まれ育ち、人生の半分以上をロサンゼルスで過ごし、18年以上ものあいだアメリカでプロデューサーとして活躍してきた小山田氏も、N LITEを通じてアニメの多文化・多国籍化を進めることに意義を見いだしている。

「日本のアニメ産業がいかに大きく、影響力を持つようになったかを考えると、このプロジェクトは重要です。2000年にロサンゼルスに引っ越してきたとき、アメリカのテレビでスペイン語のポケモンを見て、すごい!と思ったのを覚えています。日本の文化はグローバルなんだ!と。そんな出来事も、私のインスピレーションの一部です」

同氏は俳優・プロデューサー業の傍ら、日米のベンチャー企業をそれぞれの国に紹介するといったこともやってきており、多国間のビジネスを橋渡しするにはどうしたらいいのかを具体的に理解している強みもある。

ただし、アフリカの民話などを日本人が制作するのには難しさもある。小山田氏は、「アフリメに情熱と興味を持ち、アフリメプロジェクトの特定のアフリカ文化についての基礎知識を持つ適切な日本のディレクター、プロデューサー、アーティストを見つけること、あるいは、もし彼らがアフリカ文化について何も知らなければ、そのために学び、探求しようとする人たちを見つけられるか」が課題の1つだと話す。

実際、この2人と話していて気にかかったのは、アニメがはたして「本物かどうか」ということだ。少し前のことだが、日本の大手食品会社が大坂なおみを起用したアニメのコマーシャルで、ハイチ人と日本人の両方の特徴を持つ黒人女性である彼女をそのまま表現するのではなく、彼女の「黒人」としての特徴のほとんどを消してしまったことがあった。

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