【産業天気図・損害保険】自然災害の影響は限定的。注目は第3分野と海外。もう一段の再編も

●お天気概況
 前2005年3月期は、上陸した台風が観測史上最多の10個に達したほか、集中豪雨など自然災害が多発。その結果、ミレア、損保ジャパン、三井住友海上、あいおい、日本興亜、ニッセイ同和、日新火災、富士火災の上場損害保険8社の自然災害発生保険金は総額5404億円に達した。各社は、保険金支払いに備えて積み上げていた異常危険準備金を取り崩すとともに、一部は再保険契約で充当したものの、保険引受利益は全体で453億円の赤字に陥った。だが、もともと損保の自己資本は厚く、株などの益出しも実施したため、各社とも大きく財務基盤を毀損する結果にはならなかった。

●今後の注目点
 今06年3月期、自然災害発生保険金は8社合計で1095億円に縮小を見込む。そのため、主力の自動車保険は依然価格競争が続いているものの、8社合計の保険引受利益は2174億円まで回復に向かう公算が高い。今後の注目点は医療保険などの第3分野でヒット商品を生み出せるか、そして中国を中心とした海外市場の開拓で成果を出せるか、の2点だ。いずれの点でも現状はミレア、損保ジャパン、三井住友海上の3社が先行している。中堅以下は、大手と差別化したニッチ戦略が求められるが、その一方でUFJと親密な日本興亜、さらにトヨタ色が強いあいおいを軸にした、もう一段の再編を予想する声も強い。
【岡本亨記者】


(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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