中国の偵察気球が日本にも米国にも厄介な理由 北ミサイル、米にとっての脅威が増したとの見方

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(画像:FNNプライムオンライン)

高橋杉雄氏(防衛研究所防衛政策研究室長):「火星15」はすでに何度も(発射が)成功しているミサイルで、技術的なテストではない。今回、北朝鮮側のリリースで注目されるのは、朝8時に発射命令が出され、ある種不意打ちの発射演習であったこと。朝8時に命令が出て、準備をして、約10時間後に発射に成功している。「火星15」は液体燃料ミサイルなので、燃料を注入してTEL(発射台)を展開して撃つという非常に即応性が高いことをチェックしたということが言える。 

松山キャスター:「火星15」は全米ほぼすべての領域を射程に入れるとみられている。

高橋氏: 弾頭重量によるが、米国には届く。不意打ち演習をやるというのは実戦の準備だ。それほどもう技術的には信頼度が高いということだ。

「米にとっての脅威、格段に上がる」

佐藤正久氏(元外務副大臣、自民党前外交部会長):北朝鮮の発表が仮に正しいとすれば、「火星15」も「火星17」もともに大量配備、大量生産の段階に入ったと言える。「火星15」は今まで射程約1万キロ以上と言われたものが、1万4,000キロとなると、「火星15」であれ、「火星17」であれ、米国全土を射程に入れることになる。米国にとって脅威の段階が格段に上がる。先の軍事パレードで「火星17」の発射用車両は11確認された。「火星15」の発射用車両はそれよりも多い。

米国が一撃ですべての車両を叩くことは難しい。ICBM級の弾道ミサイルを移動して発射できるわけで、北朝鮮からの報復があることを示唆している。脅威の段階が一段上がったと言える。

(画像:FNNプライムオンライン)

木下康太郎キャスター(フジテレビアナウンサー):米国が撃墜した中国の偵察気球は全長約60m、搭載物の重さ900kg超と非常に大きいものだった。飛行機や気象現象などが起きる高度を超える高度約18kmのところを飛んでいた。気球は中国の海南島から飛んで太平洋を越え、米国本土を横断して結果的に4日、サウスカロライナ州沖で撃ち落とされた。注目されるのは米国本土での飛行ルートだ。空軍基地や核ミサイルが配備されている場所など軍事的に重要な施設の上空を飛行していたことが分かる。 

中国の狙いについて、元自衛艦隊司令官の香田洋二氏は「中国は、気球を武器化できる可能性があるか実習しているのではないか」と指摘している。

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