【1分動画解説】大手コンサルが人気集める理由 「もうけの仕組み」で一目瞭然、好待遇の事情
一般的に、コンサルティングとはさまざまな専門分野の経験を基に指導や助言を行う行為を指す。コンサル会社は何人かのコンサルタントが集まってこうしたサービスを提供している企業だ。
そのため、単純化してしまえば、売上高は「コンサルタント1人当たりの単価」に、「全体のコンサルタントの人数」、そして「顧客から料金をもらえる案件に従事している期間」の掛け合わせで決まる。
一方、見逃せないのがコスト構造だ。コンサルの場合は専門的な知識を提供して、料金を得るため、原材料や店舗などが不要で、コストのほとんどを人件費が占める。典型的な労働集約型産業と呼ばれるゆえんだ。
近年、大手企業でDXや脱炭素、M&Aといったニーズが急激に高まっている。既存の経営戦略の中に、こうしたITや脱炭素、M&Aといった高度な専門性を求められるものを落とし込んだり、複数のものを掛け合わせるのはコンサルの得意領域だ。
案件が増えても、対応できるコンサルタントは急には増やせない。そこで、給料を上げて、同業他社から引き抜くか、周辺業界から優秀な人材をかき集める必要がある。
こうして集めた優秀な人材が高い成果をあげると、顧客からもらう料金やさらに案件が増える。そこでまた給料を上げて優秀な人材を集める・・・今、コンサル業界で起きているのはこうした循環だ。
たとえば、国内最大級の総合コンサル企業で上場する、ベイカレント・コンサルティングで試算するとどうなるか。2022年2月期の売上高576億円を、コンサルタント数(2369人)と年間平均稼働率(約90%)で割ると、コンサル1人当たりの売上高は推計2700万円となる。
ここから各種費用を引いた分を原資に、賃金が決まっていく。ベイカレントの2022年2月期の有価証券報告書によると、平均年収は1106万円。民間企業の平均年収443万円(2021年、国税庁調べ)と比較すると高水準だ。
コンサルのビジネスモデルは変革
足元のDX需要の高まりを受け、コンサルティング各社の業績は好調を継続。前出のベイカレントも2023年2月期に6期連続の増収増益を見込む。
DX需要の高まりを背景に、従来「戦略系」「IT系」などと得意分野で棲み分けていたコンサル各社も、上流から下流までのあらゆる業務をこなす、アクセンチュアのような「総合系」が台頭しているほか、戦略系が下流に展開したり、IT系が上流の業務を手がけたりするなど、ビジネスモデルの変革が進んでいる。
コンサル業界の業界地図は「業界地図デジタル」に掲載。「もうけの仕組み」と合わせて、業界構造の理解に役立ててほしい。
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