ChatGPT登場で「英語学習」はついに無用になるか AI専門家語るチャットボットとAI翻訳の現在地

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さて、このコラムは英語のコラムなので、この流れでAIがビジネス英語の世界にどんなインパクトを与えるか考えてみましょう。

生での会話については「人間関係の構築」というちょっとまた違うレイヤーの課題があるので置いておくとして、書き言葉の英語については、もう相当なところまで来ています。

以前にも書きましたが「DeepL」のような翻訳ソフトはかなり秀逸で、無理して頑張って英作文するよりも、こちらに頼ってしまったほうがよい結果になることがあります。何よりも時間短縮になりますので、この点では画期的と言えます。周囲に突然英作文が上達した人が登場したら、かなりの確率でAIを使い始めたと考えていいでしょう。

ChatGPTで「英文ビジネスレター」も書ける?

ChatGPTについても、フォーマルなレターなど、英語のビジネス慣習に明るくなければ書けないレターなどは頼ってみるとよいでしょう。なにしろ向こうのほうが「経験値」が豊富なのですから。

試しに「お金を借りた山田さんに1週間待ってほしいというお詫び状を英語で書いて」「ジェームスさんをディナーにお誘いするレターを英語で書いて」とChatGPTに依頼すると、なかなかいい感じのレター案を作ってくれました。

同様に、秘密保持契約書を書いてこいとか、住宅の賃貸契約書を書いてと依頼すると、それっぽいものはあっと言う間に書いてくれます。

ただし、上記のようなケースにおいてAIが書いたものを使うのにふさわしいのかを確認する必要があることは言うまでもありません。内容がセンシティブなものになればなおさら。ChatGPTなどには法律文書を作ることはできないので専門家の確認を求めるように、とただし書きをつけた上でサンプルを提示する必要があります。

ただ、なんでしょうかね、この違和感は。努力。そう、努力しなくていいのでしょうか。勉強とは、努力して達成するもので、むしろその努力の過程こそが人間的成長を促すのではなかったのでしょうか。そんなふうに教えられた世代にとっては、なんとも言えない時代になってきました。

書道、そろばん、あるいはさらに遡ると剣術、論語。その時代時代に必要とされてきたビジネススキル(剣術だって時代によっては重要なビジネススキルだったわけです)が、時代と共に淘汰され、その精神性だけが継承されているような感じがします。あるいは教養や文化として残っているという場合もあります。書き言葉の英語学習も、やがてそうなっていくのでしょうか。

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デビット・ベネット テンストレント最高顧客責任者

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David Bennett

1979年にジャマイカで生まれ、カナダ国籍を持つ。カナダトロント大学大学院卒。早稲田大学にて日本語を習得、学習院女子大学大学院にて日本古典文学を学ぶ。東京でコンサルタントとして社会人キャリアをスタート。AMD社コーポレートバイスプレジデント、および同社のレノボアカウントチームのゼネラルマネージャーを務め、コンシューマー、コマーシャル、グラフィックス、エンタープライズプラットフォームなど広範な事業を手掛ける。2018年5月レノボ・ジャパン社長に就任、2022年6月から現職。古典文学が好き。

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