2024年1月1日からスタートする新NISA。iDeCoと併用すれば、夫婦共働きで何と5000万円以上が非課税だ。
今回、2023年度税制改正を受けて、新たなNISA(少額投資非課税制度)がかつてないほど、注目を浴びている。防衛増税など批判が多い中、NISAだけは歓迎されうる項目だ。
振り返ると2014年1月1日にスタートしたのが、現行のNISA(一般NISA)である。その後2016年4月には「ジュニアNISA」が誕生。2018年1月からは「つみたてNISA」が始動した。
一般NISAの場合、非課税期間は5年間で、新規投資ができる期間は2023年12月末まで、という時限措置だった。始まった当初こそ「利用者が増えれば、非課税期間や投資可能期間が延長される」と考えられていた。
しかし、そもそも国民の長期的な資産形成を目的に創設されたものなのに、一般NISAは当初の狙いと違う利用のされ方が主流になる。年間投資額で120万円が設けられたが、積み立てを前提としないことから、株やレバレッジ型など、リスクの高い商品に一括投資する人が増加。大きく儲けた分を非課税で受け取る使い方が増えていったからだ。
仕組みが複雑、葬られた“2階建て”構想
これに不満を抱いた金融庁が本腰を入れ、個人の長期資産形成に資する制度として2018年から本格的に開始されたのが、今あるつみたてNISAである。年間投資額を40万円に抑える一方、非課税期間を20年間と長期にした。金融庁としては、つみたてNISAを拡充する一方、一般NISAは徐々にフェードアウトさせたい、という意向があったと思われる。
2020年度の税制改正大綱に盛り込まれたのが、両NISAを統合した、いわゆる“2階建て”のNISA。2023年末で終わる一般NISAに代わる構想として検討された。しかし、積み立て投資をした人だけが個別株に投資できるという、2段階の仕組みが複雑すぎたため、業界内外の不評を買う。うがった見方をすれば、あえて使い勝手を悪くすることで、国民の目をつみたてNISAに向ける狙いがあったと考えられなくもない。
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