ロイヤルホストが50年超も熱く支持され続ける訳 懐かしく+楽しめる、「パンケーキ」も話題に

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(1)は商品開発、(2)は安定生産、(3)は店舗での提供、に携わる人だ。各部門で働く「コック」が、店で提供する「できたての味」を支えているという。

ファミレス業界では、かつて低価格訴求のレストランが勢いを増した。当時、攻勢に押されて危機感を抱いたロイヤルホストは、一部で低価格メニューも提供した。そのときに、常連客からは「ロイホにはそれ(低価格)を求めていない」と言われたという。その言葉にハッと気づかされた当時の関係者は、ブランドの原点に立ち返った。

ロイヤルホストの巨大な寸胴鍋が置かれたセントラルキッチン
巨大な寸胴鍋が置かれたセントラルキッチン(写真:ロイヤルフードサービス)

Z世代が指摘した「ニューオールドアメリカン」

かつてファミリーレストランといえば、深夜営業も人気だった。だが現在は少ない。競合の「ガスト」が再開する動きがあるが、コロナのかなり前に夜中の利用客が減って、多くのファミレスが取りやめた。代わって現在、各社が注力するのが朝の時間帯だ。

ロイヤルホストも「ブレックファストメニュー」に力を入れている。まずは手頃な価格の朝の時間帯で来店頻度を増やしてもらい、顧客を取り込みたい思いがあるのだろう。

ブランドの今後を見据えて、若い世代への訴求はどうなのか。

「1つの例として、先日、産学連携で女子栄養大学の学生と交流し、一緒にメニューを考えたことがあります。店のキーワードで興味深かったのが『ニューオールドアメリカン』――。学生さんからは『みなさんにとってはオールドかもしれませんが、私たちにとってはニューオールドアメリカンです』という声があり、Z世代の意識も感じました」

若い世代も意識した訴求では、近年は「パフェ」に力を入れている。1月11日からはイチゴを使った「苺~Sweet Strawberry」の第1弾をスタートさせた。「パフェをご注文されるために来店されるお客さまも増えています」(同社関係者)。

「古臭い」のではなく「懐かしい」+「楽しめる」は、マーケティング訴求でも用いられる。「ニューオールド」をどう反映するか。現在好調なロイヤルホストの今後の課題だろう。

ロイヤルホストの「Sweet Strawberry」
「Sweet Strawberry」の商品(写真:ロイヤルフードサービス)
高井 尚之 経済ジャーナリスト、経営コンサルタント

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たかい なおゆき / Naoyuki Takai

学生時代から在京スポーツ紙に連載を始める。卒業後、日本実業出版社の編集者、花王情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。「現象の裏にある本質を描く」をモットーに、「企業経営」「ビジネス現場とヒト」をテーマにした企画・執筆・講演多数。近著に『なぜ、人はスガキヤに行くとホッとするのか?』(プレジデント社)がある。

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