離婚して別の人と一緒になりたい68歳女性の悩み 60代~70代の方のお悩みに和田秀樹さんが回答

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それに会社員の場合はどのみち定年がありますから、奥さんが働き続けられるのはあと数年といったところ。いつまでも働けるわけじゃないことを理解しておくと、嫉妬心も収まるのではないですか。

もう一つの解決法は、あなた自身が活躍できる場を探すことです。会社員時代に多くの部下を率いていたなら、何らかのスキルをお持ちのはず。地域のセミナーや勉強会を主催しているところに応募して講師に挑戦するとか。ボランティア団体や自治会に参加してリーダーになることもできるでしょう。自分を必要としてくれる場所を見つければ、その精神的なつらさは軽減されるはずです。

出会った男性といい感じの仲に……

相談6:カルチャースクールで出会った男性といい感じの仲に……。とても気の合う人なので、本心ではその人と一緒になりたいですが、離婚に向けて一歩踏み出してもいいものでしょうか。(68歳女性)
回答:年齢を重ねて新たな恋愛ができるのは素晴らしいこと。

68歳という年齢で新たに恋愛ができるって、私は素晴らしいことだと思いますよ。むしろ「気の合う人と出会えてよかったね」と祝福したいぐらいです。

『70代は男も女もやりたいことをおやりなさい』(KADOKAWA)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします 

本心では「その人と一緒になりたい」ということは、夫に不満があるわけですよね? だとしたら、残りの人生、30年もないかもしれないから、自分の幸せをとったほうがいいです。

最期に「ああ、私の人生、幸せだったなぁ」と思えるかどうかって、大事だと思うんです。新たな幸せに向かって一歩踏み出したらいいと思います。

ただし、その前に相手の男性のことはよく調べるべきです。その人に奥さんがいないかどうかとか、実は生活に困っていてあなたにお金の面など頼ろうとしていないかとか。相手のプライベートな部分もじっくり観察して、素性をあきらかにしたほうがいいです。

そこがクリアできたら、離婚をためらう理由はありません。子どもに反対されたとしても自分の意思を貫くべきです。あなた自身の幸せをつかんでください。

和田 秀樹 精神科医

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わだ ひでき / Hideki Wada

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科医師を経て、現在は和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わる。『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『80歳の壁』(幻冬舎新書)、『60歳からはやりたい放題』(扶桑社新書)、『老いたら好きに生きる』(毎日新聞出版)など著書多数。

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