防衛力増強には結局「消費税増税」しか道はない 国民が求める「歳出削減」は焼け石に水

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国家の大計を熟議する時期がきている(写真:type61nori/PIXTA)

岸田首相が「防衛力の増強」と「異次元の少子化対策」を打ち出しました。いずれも兆円単位の巨額の予算が必要で、財源の確保が課題になっています。

防衛費増額の財源として、政府は法人税・タバコ税などの増税を閣議決定しました。加えて国有財産の売却益、剰余金の活用などが財源になっています。少子化対策については、自民党の甘利明前幹事長が消費税増税に言及しました。他にもいろいろな財源が取りざたされ、さながら宝探しの様相です。

財政難の日本で、いろいろな財源を探すのは当然のこと。ただ、防衛力増強も少子化対策も国家の大計なので、「安定した大きな柱がなくて大丈夫なのか?」という疑問・不安が湧いてきます。

柱となる財源の候補は、①歳出削減、②国債発行、③増税の3つです。各種世論調査によると、国民の希望は高い方から①→②→③で、政府とは真逆のようです。今回は、この3つのうちどれが適切なのか、順を追って考えてみましょう。

歳出削減は必要だが、財源にはならない

まず1つ目の歳出削減。財源の議論で真っ先にやり玉に挙がるのが、「税金の無駄遣い」です。とくに、ガーシー参議院議員の一件もあって、「国会議員の報酬を減らせ」「そもそも国会議員を減らせ」という国民の批判が噴出しています。

困難を伴う大きな改革を進めるには、国民の理解を得ることが大切。そのためには、まず政治家が率先して範を示すべきで、議員報酬と(公約である)議員定数の削減が喫緊の課題です。

ただ、国会議員1人当たりの報酬は、文通費や公設秘書の報酬などを含めて年間7500万円くらい。衆参合わせても713人分の総報酬は500億円あまりにすぎません。地方議員を含めてゼロまで減らしたとしても、「焼け石に水」です。

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