被災地・宮城にいち早く医療支援、立川相互病院が派遣チーム報告会【震災関連速報】

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被災地・宮城にいち早く医療支援、立川相互病院が派遣チーム報告会【震災関連速報】

「東日本大震災の被災地に一刻も早く救援チーム派遣を」

大震災の翌々日の3月13日午前2時、宮城県塩釜市内の民間病院にたどりついたのが、立川相互病院(東京・立川市、345床)など「社会医療法人社団健生会」に所属する職員たちだった。

山田秀樹副院長を団長とする看護師、事務職員ら、第一次支援メンバー9人がステーションワゴンタイプの乗用車3台に医療物資を満載して立川相互病院を出発したのは12日午後5時。地元の警察署で「緊急通行車両確認標章」の取得に1時間半を要した後、東北自動車道を通って仙台南インターチェンジで一般道に下り、塩釜市内の坂総合病院(357床)に5時間半かけて到着した。

「地震直後の東北自動車道はところどころに損壊があり、路肩の崩壊でぎりぎり一車線しか通れないところも数カ所あった。ただ、道路はものすごくすいていたうえ、損壊の程度は全般的には軽いようだった。そのため、スムーズに現地に到着することができた」(山田副院長)。また、健生会では阪神淡路大震災や中越地震で支援隊を出した経験を持つことから、「早い時期から被災者の初期治療に従事することができた」と山田副院長は話す。

坂総合病院の受け入れ態勢もしっかりしていたという。同病院は塩釜市を中心とする2市3町(ほかに多賀城市、七ヶ浜町、利府町、松島町)および仙台市東部地域の人口約25万人を支える中核病院で、宮城県から災害拠点病院の指定を受けている。ふだんから災害への備えを怠っていなかったこともあり、着任した立川相互病院の職員らはすぐさま病院での診療や患者のトリアージ(重症度判定)、避難所にいる被災者への訪問診療・訪問看護などを分担。3日間の診療を終えて16日午後9時に立川に帰還した。この間、約200人の被災者の診療に従事した。

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