「脱炭素を真剣に考えるべき」日本製鉄社長の直言 CO2排出の多い高炉製鉄、変えるため必要なのは

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日本製鉄君津の高炉
高炉では酸化鉄である鉄鉱石から酸素を取り除く過程(還元)で石炭の炭素を使うため大量のCO2が排出される(記者撮影)
産業界でもっともCO2排出量が多いのが鉄鋼業だ。製鉄法の主流である高炉法で、天然資源である鉄鉱石から鉄を造る過程で石炭の炭素を利用しているため、原理的に大量のCO2排出が避けられないからだ。
いかに脱炭素を達成するのか、高炉メーカーの雄・日本製鉄の橋本英二社長に聞いた(2022年12月22日の社長会見を基に東洋経済が構成)。直近の業績見通しなどは日本製鉄・橋本社長が語った「鉄の復権」の全貌に。

高炉の生産性、電炉では困難

――脱炭素は鉄鋼メーカーにとってとりわけ難問です。道筋をどう描きますか。

脱炭素で鉄を造る方策の1つは電炉だが課題も多い。スクラップには不純物があるので高級鋼が造れない。また、高炉に比べて生産性が低い。

高炉で出てきた溶銑(炭素分の多い銑鉄の溶けたもの)を転炉に移して不純物の少ない鋼を造る。転炉では攪拌することでスピーディに鋼を造る。電炉はスクラップを入れて電気で溶かすだけで攪拌ができないので製鋼に時間がかかる。この問題は電炉を大型化しても解決できない。

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