東京製鉄「電炉材への需要をひしひしと感じる」 高炉に比べ圧倒的に少ない二酸化炭素の排出量

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西本利一(にしもと・としかず)/東京製鉄社長。1960年生まれ。84年早稲田大学理工学部卒業、東京製鉄入社。99年岡山工場製鋼部長兼圧延部長、2004年高松工場長。創業家出身ではないが、06年に46歳で社長就任。(撮影:今井康一)
鉄鋼は二酸化炭素(CO2)排出量が多い産業の筆頭だ。主流の高炉法で石炭の炭素による還元反応を使うからだ。一方、鉄スクラップを溶解して再利用する電炉は、高炉法に比べてCO2排出量が4分の1と圧倒的に少ない。期待と注目を集める電炉の可能性について、国内電炉トップ、東京製鉄の西本利一社長に聞いた。

──日本製鉄やJFEスチールといった高炉大手が電炉強化を打ち出しています。スクラップの奪い合いなど競争は激化しそうです。

ひとくくりに電炉といっても使用する原料がスクラップとは限らない。米国は、現在でも電炉比率が80%近いが、高炉で鉄鉱石からの還元を経て造られたビレットや、高炉は使わず鉄鉱石を天然ガスで還元した直接還元鉄などのプライマリー原料の使用が多い。

欧州のアルセロール・ミタルや日本の高炉メーカーが電炉で生産する場合、どこまでスクラップを使うのか。スクラップでも新断(自動車などの生産工程から出る高品質スクラップ)だけを使うなら原料調達でそれほど競合しない。

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