TOYO TIRE(トーヨータイヤ)の営業利益率は13%超と業界ではトップ。5月12日に発表した第1四半期の決算は15.9%で絶好調だ。高収益の理由に迫る。
――タイヤ業界でも新興国メーカーの攻勢を受けて、各社とも収益力の強化が課題になっています。その中で小規模メーカーのTOYOが高い利益率を誇っています。
アメリカ市場に強いことが理由の一つだ。アメリカではSUV(スポーツ多目的車)やピックアップトラックが非常に売れている。アメリカのSUV用タイヤは世界でも断トツに利益率が高い。
アメリカでは乗用車用タイヤは消耗品扱いで、ガソリンスタンドで安いタイヤを勧められて買う人も多い。一方、SUVやピックアップではデザイン性が重視される。オフロードを走るので頑丈さも大事だ。TOYOのタイヤはゴツゴツしていてデザイン性に優れ、頑丈なので少々高くても買ってくれる。20インチや22インチといった大径のピックアップ用ではシェアが4割近くある。
16インチ以下のタイヤ生産をやめて大径に特化
――アメリカのSUV用の特に高いインチで大手を抑えてシェアを伸ばせた理由は。
私は2007年から2012年にアメリカに駐在していたが、この間にアメリカの工場は16インチ以下の生産をやめて17インチ以上に特化するという方針を打ち出した。生産量が多いメーカーなら低インチのコモディティ(汎用品)タイヤでも利益を出せるが、われわれは規模が小さい。ニッチでも利益率が高いSUVやピックアップに焦点を当てた。その後、アメリカのSUV市場が大きく伸びた。
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