地方創生は大平元首相の田園都市国家に学べ

民主党の玉木議員、「旧来型政策」を斬る

実はそうした構想は、すでに30年以上も前に作られています。私の故郷の先輩でもある故・大平正芳首相の「田園都市国家構想」です。

その内容について、大平首相は1979年1月の施政方針演説でこう述べています。

「緑と自然に包まれ、安らぎに満ち、郷土愛とみずみずしい人間関係が脈打つ地域生活圏が全国的に展開され、大都市、地方都市、農山漁村のそれぞれの地域の自主性と個性を生かしつつ、均衡のとれた多彩な国土を形成しなければならない」

この「田園都市国家構想」の報告書は梅棹忠夫国立民族学博物館長(当時)を議長とした田園都市構想研究グループによって1980年7月にまとめられました。その前月に大平首相が亡くなったため、実現されていませんが、私はこれを踏襲したいのです。というのも、今の時代だからこそ、この構想を実現することができると思うからです。

インターネットが都市と地方の格差を埋めた

玉木議員は「インターネットが都市部と地方の格差を埋めている」と説く(撮影:吉野純治)

というのも、以下に述べる3つの前提が生まれたからです。まずはインターネットの普及です。インターネットがあれば、私たちは日本のどこにいても映画をストリーミングで見ることができますし、アマゾンで書籍を取り寄せることも可能です。すなわち地方と都市部の格差がなくなり、地方にいても都市と同様の情報サービスを受けることができるようになったことです。

次に再生可能エネルギー固定価格買い取り制度です。丸の内のオフィス街の真ん中に太陽光パネルを設置することはできませんが、地方ではその用地を確保することは難しくありません。エネルギー源として、風力も温泉熱も森林資源も豊富に存在します。地方だからこそ自然をお金に変えることができる、これは地方にとって大きなメリットです。

3つ目はアジアの発展です。13億人の人口を抱える中国や12億人のインドなど、アジアには40億人が住んでいますが、特に注目されるのが高・中間所得者層の拡大です。

アジアの中間所得層は2000年には2.2億人だったのが、2010年には9.4億人に拡大し、2020年には20億人に達すると予想されています。富裕層についても2020年には2.3億人に達するとされており、世界一巨大な消費市場が誕生しつつあるわけです。

この巨大市場に近いというメリットを生かさない手はありません。私の地元の香川県高松市は、LCCで上海まで直行便が運航しています。片道の料金が6000円や6800円で、東京へ行くよりよほど安いのです。

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