話始め10秒でバレる「話が下手な人」の最大の特徴 「話が長い」「聞いてもらえない」人は冒頭が下手

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これらに共通するのが、その話の所要時間について定義をしていることです。定義とは「Aとは〜である」と定める数学的な行為のことです。つまり先ほどの3つの発言は、このようなメッセージを伝えていることに他なりません。

「この話は、手短な内容のものである」
「この話は、少しばかり長くなってしまうものである」
「この話は、あなたの時間を5分程度いただくものである」

所要時間を定義しないことも問題点

よく「話が長くなってしまう」という問題意識を持っている人がいます。しかし私は話の所要時間が長いこと自体は問題ではないと思っています。人生においては1分で終わる話もあればどうしても30分かかる話もあります。では何が問題かというと、所要時間を定義し伝えていない状態で、相手の想定より長い時間を奪って話をし続けることが問題だと思うのです。

あらかじめ相手に10分かかる話だと伝えておけば、あなたが10分間ずっと話しても問題はありません。しかし相手がせいぜい2〜3分で終わるだろうと思っているところであなたが10分間ずっと話してしまうから、相手は「長い」と感じます。結婚式での来賓スピーチや学校での校長先生の挨拶など、あなたにも思い当たるシーンがいくつか想像できるのではないでしょうか。

このような聞き手のちょっとした心情やストレスを慮ることができると、話の導入で所要時間を伝えてあげようという発想が自然に生まれます。今日からすぐにできることですので、ぜひ意識してみてはどうでしょうか。

【演習問題】
あなたが明日、ビジネスシーンにおいて誰かに話す状況を想像してください。その相手に「所要時間」に関するストレスを感じさせないためには、どんな言葉を伝えるといいでしょうか。
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