3年休職の社員が目指す「ダイバーシティ」な職場 「インクルージョン」で誰もが活躍する環境へ
ある知人から、「山添さんの病気治療中に得た経験は、高校時代に海外留学した人の経験と似ていますね」と言われたことがあった。高校時代の留学は大学時代の留学とは違い学業的には明確な目的はなく、知らない土地で友達がゼロの状態から生活をスタートし、新たな経験を積む。そんな生活のなかで、今後の人生の進む道を切り開くべくもがき続ける日々を過ごす高校留学と、私の白血病治療の経験が重なると言う。
私も15~18歳まで単身アメリカ、オレゴン州に留学していた経験がある。たしかに新たな経験の連続から自分自身の進む道を見つけ出した当時の経験は、治療と向き合った日々と似ているかもしれないと思った。
職場復帰のためのTIPSづくり
30年前に単身留学したときも、他の学生とは違うユニークな経験を積んだという実感があった。白血病治療を乗り越え復職を果たした今もがん治療の経験は他の同僚よりも独自性の高いものとなり得ると感じており、ダイバーシティの底上げに貢献できているはずだと考えるようになった。
多様な人材を有した組織の重要性を経営方針に掲げる企業は、女性や海外出身者の採用について語ることが多いが、私のような人生の回り道をたどった社員を受け入れることもダイバーシティを高めたいとの思いを示すことになるのではないだろうか。
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