
2020年小学校から順次スタートしている新学習指導要領。変化が激しく複雑な社会を生き抜く力を育むために「主体的・対話的で深い学び」の実現がキーワードとなる中、自ら問いを立てて課題解決に取り組む探究学習が重視されるようになっている。かねて探究学習に力を入れてきたヒロック初等部・校長の蓑手章吾氏に、前回の「テーマ(コンセプト)から始まる探究学習」に続いて、「興味関心(コンピテンシー)から始まる探究学習」について解説いただいた。
「興味関心(コンピテンシー)から始まる探究学習」
前回の記事では、ヒロック初等部で実践している2種類の探究学習の1つ「テーマ(コンセプト)から始まる探究学習」について書きました。今回は、もう1つの探究学習「興味関心(コンピテンシー)から始まる探究学習」についてご紹介いたします。
ヒロックでは「興味関心(コンピテンシー)から始まる探究学習」のことを「マイプロジェクト」と呼んでいるので、これ以降はマイプロジェクトという名称で書いていきます。
探究学習はしばしば、穴を掘ることに例えられます。1つのテーマに沿って、下へ下へと深掘りしていくのです。それは決して容易なことではないし、子どもにとって負荷のかかることでもあります。それでも、自分なりにテーマと向き合って、より深く掘り進めていく経験は、学習者にとって汎用可能な財産となります。

蓑手章吾(みのて・しょうご)
HILLOCK(ヒロック)初等部 校長
公立小学校で14年勤務した後、2021年3月に東京・世田谷にオルタナティブスクール、ヒロック初等部を創設、22年4月に開校。専門教科は国語。特別支援学校でのインクルーシブ教育や発達の系統性、学習心理学に関心を持ち、教鞭を執る傍ら大学院にも通い、人間発達プログラムで修士号を取得。特別支援2種免許を所有。プログラミング教育で全国的に有名な東京・小金井の前原小学校では、研究主任やICT主任を歴任するなどICTを活用した教育にも高い関心と経験を持つ。著書に『子どもが自ら学び出す!自由進度学習のはじめかた』(学陽書房)、共著に『before&afterでわかる!研究主任の仕事アップデート』(明治図書)、『知的障害特別支援学校のICTを活用した授業づくり』(ジアース教育新社)、『個別最適な学びを実現するICTの使い方』(学陽書房)などがある
(撮影:今井康一)
HILLOCK(ヒロック)初等部 校長
公立小学校で14年勤務した後、2021年3月に東京・世田谷にオルタナティブスクール、ヒロック初等部を創設、22年4月に開校。専門教科は国語。特別支援学校でのインクルーシブ教育や発達の系統性、学習心理学に関心を持ち、教鞭を執る傍ら大学院にも通い、人間発達プログラムで修士号を取得。特別支援2種免許を所有。プログラミング教育で全国的に有名な東京・小金井の前原小学校では、研究主任やICT主任を歴任するなどICTを活用した教育にも高い関心と経験を持つ。著書に『子どもが自ら学び出す!自由進度学習のはじめかた』(学陽書房)、共著に『before&afterでわかる!研究主任の仕事アップデート』(明治図書)、『知的障害特別支援学校のICTを活用した授業づくり』(ジアース教育新社)、『個別最適な学びを実現するICTの使い方』(学陽書房)などがある
(撮影:今井康一)
マイプロジェクトを進めるうえでの3つの条件
ヒロックではマイプロジェクトのテーマについて、何を選んで探究するかを自分で決めてよい、ということにしました。絵を描くことでも料理でも工作でも、カードゲームだって構いません。自分が好きなもの、興味関心のあるものであれば、その子にとっての負荷もぐんと下がりますよね。
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