子どもが「学ぶ楽しさ、自分の成長を実感できる探究学習」のやり方と真の狙い 興味関心、コンピテンシーから始まる探究学習

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「昨日の成長が今日の自分を幸せにしてくれた」実感が大事

ヒロックの最上位目標は「福利の拡張」、言い換えると「幸せになる力をつけること」です。幸せの定義は人それぞれ、多種多様ですが、こうなりたいという理想の姿を思い浮かべて「今はできないけれど、こうやってコツコツ積み上げていけば、いつかは理想の自分になれる」と思えたら、それは普遍的な幸せのあり方なんじゃないでしょうか。

諦めたり、何かのせいにしなくても、明日や未来に希望を持てる状態。仮に、たとえそこに届かなくとも、夢を持って確実に前進しているという実感が得られる状態こそが、まさに福利を拡張している姿そのものだと思っています。

今の子どもたちは、もしかすると「大人になった時に役に立つから」と、信用してよいかもわからないような長期的展望を見せられ、日々成長する楽しさを感じられないままに、歯を食いしばって努力を強いられていると感じているのかもしれません。大きな壁や絶望に打ちのめされ、自暴自棄になってしまう子たちも多くいるのが現実です。子どもたちにとって必要なのは、「いつか」なんて約束できない遠い幸せなんかじゃなくて、昨日の成長が今日の自分をより自由に、より幸せにしてくれたという揺るぎない「今」の実感なのではないでしょうか。

自分の好きなことや興味関心のあることが、昨日よりちょっとだけうまくなる。上達してうれしい。大好きな人が認めてくれた。誰かの役に立てた。みんなが面白がってくれた。そんなことが、何よりも学ぶ楽しさ、成長する喜びを鮮明に感じさせてくれます。自分も捨てたもんじゃない。苦手なことやコンプレックスも、もしかすると克服できるかもしれない。明日はきっといい日になる。そうやって少しずつ、自分のことが好きになれる、それがマイプロジェクトの真の狙いでもあります。

(注記のない写真:蓑手氏提供)

執筆:蓑手章吾
東洋経済education × ICT編集部

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小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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