ポイントは4つだけ!2023年「新年相場」の勝ち方 会社四季報を見て「へぇ!」「あれっ?」と思えるか
ABFの出荷数量は、17年度を100とすると21年度実績は190。25年度には345まで伸びる見込みだ。5Gによる通信量の増大でデータセンターが増え、ABFの高水準の需要が続くとみられるからだ。群馬工場の増産工事を一部前倒しで実施するという。
ABFを生産しているのは、100%子会社の味の素ファインテクノ。従業員数は345人。味の素の連結従業員数3万3461人のわずか1%にすぎない。1%の人たちが全社利益のおよそ3割を稼ぎ出しているのだ。
同じようなことはほかの企業でもある。例えばホンダ。自動車会社と思われがちだが、全社営業利益の4割は金融サービス事業。日産自動車に至っては、自動車事業は赤字で、販売金融事業が全社営業利益の1.5倍を稼ぐ。このように【連結事業】を見て本当は何で儲けているかを押さえることが株式投資では最重要事項となる。
味の素は「ハイテク株」でもあった
味の素の株価は11月29日に終値で35年ぶりに上場来高値を更新し、その後も連日のように値を伸ばしている。調味料の会社と思われているが、実はハイテク株でもあった。単発エンジンから「双発エンジン」になったのだから強い。
今年の相場は米国の金利上昇でハイテク株が売られる場面があったが、味の素は売られなかった。食品企業というディフェンシブ銘柄の側面が株価を下支えしたのだ。
こうして四季報を見て好業績銘柄を探し出し、パソコンで調べ、変化を追う。そうすれば誰でも有望銘柄を見つけることができる。
四季報は、「あれっ?」という変化に気づけることも大きな効用だ。
いつも最新号とその前号の2冊を並べて見ている。例えば【従業員】欄に掲載されている年収が高いと感じたら、前号をチェックする。実際に前号より高くなっていれば成長投資をしっかりしている会社だなとわかる。残業代や賞与を含んでいるので、仕事量が増えたとか、従業員に報いている姿勢があるなどを想像できる。
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