キー局決算、放送収入減でも見えた「変化の兆し」 ウェブへの本格適応がようやく見え始めた

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日本テレビホールディングス(HD)のデジタル広告収入は、TVer(ティーバー)などによる動画広告の増収により、前年同四半期比プラス29.2%。コンテンツ販売収入は、コロナの沈静化で国内・海外販売が好調となり、Hulu(フールー)のTVOD(レンタル制の都度課金)収入も好調だったため、同プラス7.0%となった。

テレビ朝日HDは、新たに「インターネット事業」のセグメント区分を設けた。TVerなどによる広告収入により増収した(売上高は前年同期比プラス10.2%)が、事業拡大により営業費用(同プラス17.0%)がかさみ、インターネット事業の営業利益は同マイナス67.6%となった。

TBSHDは、TVerやTBS FREE、GYAO!(ギャオ)などでの配信広告収入が、前年比プラス34.0%。Paravi(パラビ)などの有料配信収入がプラス18.8%。

テレビ東京HDは、放送事業とライツ事業の比率が、2019年3月期第2四半期の65:35から、2023年3月期第2四半期は54:46に。配信とアニメが構成比率を変えた原動力であると指摘し、連結営業利益は3期連続で増加、2期連続で最高益更新となったとしている。

フジ・メディアHDは、TVer配信数などの主要指標がトップ水準となり、配信広告収入は前期比2倍以上の成長へ。FOD(フジテレビオンデマンド)の有料会員が堅調で、ニュース配信PV(ページビュー)数は月間1億超を継続しているとした。

いずれもテレビ放送における広告収入と比べればまだまだ小さいが、デジタル分野単体では、おおむね成長中だと言ってよさそうだ。

日常に欠かせない視聴手段として定着したTVer

各社の発表資料を見てみると、各局共通プラットフォームであるTVerの存在感が高まっていることがわかる。

これまでテレビ各局は、自社サービスによる「囲い込み」がメインだった。日テレならHulu(2011年開始、日テレグループ入りは2014年)、TBSならParavi(テレ東・WOWOWとの協業/2018年開始)、テレ朝はTELASA(KDDIとの協業/2012年開始)、テレ東はテレ東BIZ(2013年開始)、フジがFOD(2005年開始)といった具合に、それぞれのキラーコンテンツを独占配信することで、そこでの収益化を図っていた。

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