小籔千豊さんが始めたゲーム配信で苦戦した事情 励ましの初コメントをしてくれたファンの正体

拡大
縮小

そんなある日。「誰もコメントせんよな。誰も見てないからなぁ」とボヤいていたら、ついに初コメントが来ました。

――こんちゃーこんちゃー見てますよ

誰も見てないと嘆いた僕たちに、「そんなことないですよ」と励ましのお言葉。ありがたかったです。偉そうに今までインスタにコメントが来てもありがたいなんて思ったこともなかったですが、やはりわれわれはお客様に見てもらってナンボの世界だと改めて痛感しました。

蜘蛛の糸にすがった結果

もっとコメントをしてもらって、なんとか賑わってるチャンネル感を出したい。この人を自分の生配信に引き留めようと、おっさんは必死でした。

ゲーム反対派の僕が2年で4000時間もゲームをするようになった理由
『ゲーム反対派の僕が2年で4000時間もゲームをするようになった理由』(辰巳出版)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

「上手くなるには何が大切ですか?」

――暇な時に縦積みの練習をしています!

「えらいですねー」

――チャンネル登録、グッドボタンしました!

「あなた天使ね!」「あなた何歳?」

――9歳です

「9歳でコメント書けんの! 賢いなー、うちの子10歳」

「あなたそんな年から基礎練習の大切さをわかっているなんて将来立派になりますね」

初めてコメントくれた『くん様じょくん』という子に、平身低頭媚び倒しました。そんなやりとりしながらプレイを続けて、最後は敵にやられてそのマッチは終了。ふとスマホを見ると嫁からLINEが来ていることに気が付きました。

「くん様じょくんはうちの息子やで(笑)」

なんと滑稽な。親のYouTubeがあまりに過疎っているのを見て、哀れに思ったうちの息子が自発的にサクラとなっていたのです。10歳になったと思っていた息子は、よくよく考えたら誕生日がまだでした。僕はそうとは知らずに、我が子に媚びていたのです。恥ずかしすぎて、生配信を通して息子に「はよ寝ろ」と吐き捨てました。

なお、この模様はフォートナイト下手くそおじさんのチャンネル内の動画【チャンネル登録者数3名のおじさんが生配信に挑戦。驚きの人物が見に来てくれましたーwww】で視聴可能です。ぜひ一度、ご覧ください。

小籔 千豊 お笑い芸人

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

こやぶ かずとよ / Kazutoyo Koyabu

吉本興業所属のお笑い芸人。1973年生まれ。吉本新喜劇の座長を15年以上にわたり務める傍ら、俳優やバンド活動など多方面で活躍する。フォートナイトというオンラインゲームにハマり、「フォートナイト下手くそおじさん」としてゲームYouTuber活動も始めた。「姫」はYouTube配信中の小籔さんの愛称として知られている。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT