難民向けのインターンを開始 ユニクロが支援活動に励む理由
新手の手法でグローバル人材を育成--。ユニクロを展開するファーストリテイリングは国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と提携、6月から日本に1900人いるとされる難民を対象にインターンシップを始める。全国の店舗で接客などの研修を提供するほか、店員としての採用も検討。2006年から世界の難民キャンプへ国内店舗で回収した衣料品を提供してきたが、UNHCRとの提携で支援活動の幅を広げる。
もっとも、目的は難民支援だけにとどまらない。今回の取り組み自体は「(業績など)金銭的なプラスはないが、人材育成の面での効果は計り知れない」と大苫直樹上席執行役員。実際、難民を受け入れるだけでなく、ユニクロ自らも9月から国内社員数人を難民キャンプに派遣。各国のUNHCRのスタッフと約半年間行動を共にし、支援活動に参加する予定だ。飢餓など多くの問題を抱える地域での活動に携わることで「グローバルな視野を広げるだけでなく、短時間に問題を解決する力を養ってもらいたい」(大苫氏)と期待する。
同社は目下、中国などアジアを中心に海外出店を加速。13年入社予定の新卒採用では、最大8割前後を外国人にする考えを示しており、海外展開を支える人員の確保が急務。UNHCRとの異例のタッグは実を結ぶか。
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(鈴木良英 =週刊東洋経済2011年3月19日号)
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