「海外大学への直接進学」を狙う中高生が知っておきたい8つの評価と併願事情 高額学費も「奨学金増加」でチャンス広がる

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海外大学の受験に必要な8つの評価項目

では、海外大学を目指すにはどのような対策が必要なのだろう。現在、Route Hが指導する塾生の約8割は日本の一条校の生徒。インターナショナルスクールや国際バカロレア認定校、ケンブリッジ国際認定校の生徒はその他2割だという。大多数が日本の高校からの受験となるが、その主な評価材料は以下のとおり。尾澤氏に、それぞれのポイントを教えてもらった。

① 高校の成績
② TOEFL®︎やIELTSTMなど英語力を証明するテストのスコア
③ SAT® (学力統一試験)などのスコア
④ 中学3年生から高校3年生までの4年間の大会の受賞歴
⑤ 中学3年生から高校3年生までの4年間の課外活動の記録
⑥ エッセー
⑦ 面接
⑧ 高校からの推薦状(3通)

「①の高校の成績は名門大学ほど重視されます。②のTOEFL®︎やIELTSTMのスコアは高ければ高いほど有利で、私立名門校のミニマムスコアは120点中の100点ほど。③のS A T®︎は英語と数学の試験です。英語の難易度は高いものの、数学は日本の進学校でしっかり勉強していれば満点近くを取れるため、独学で対策する生徒が多い印象です。

④の大会受賞歴は数学オリンピックや模擬国連など、アカデミックな分野の国際大会での受賞が高評価となりますが、もちろん全国大会(企業・省庁の小論文コンテストなども可)評価対象です。

⑤の課外活動は、クラブ活動やボランティアなど一定期間の活動において成果を出すと評価が高くなります。10項目まで記入できますが、数合わせの一日ボランティアなどは評価されません。リーダーシップや情熱、コミットメントなどを発揮して実績が残せたかどうかが見られるのです」

①②③は早期から取り組みたい内容、④と⑤も中学3年生から高校3年生までの4年間が対象となるため学生生活をいかに過ごすかが重要になる。一方で、⑥⑦⑧は高校3年生になってから取り組むのだという。

「実はRoute Hの塾生はほとんどが高校3年生です。受験前の1年間は、テーマに沿って自分の経験や考えを英文で書くエッセーと面接対策に力を入れます。高校からの推薦状は3人の先生に書いてもらうことになるので、自分の魅力を理解してくれる先生は早めに見つけたいですね」

ちなみにRoute Hは少人数制のため入塾審査を設けており、選考に当たっては申し込み時の①〜⑤が参考にされる。

「これまで、海外大学の進学をサポートする塾は都市部に集中していました。しかしコロナ禍以降は海外大学に関するイベントがオンラインで行われるようになり、地方との情報格差は縮まりつつあります。実際に宮城県のある高校生が、地元の大学での研究や被災地でのボランティアを続けながら海外の名門大学に合格しました」

Route Hでも海外大学の受験情報をまとめた「Route Book」を提供しているほか、
Route Hの卒業生と尾澤氏の共著で米トップクラス大学の受験対策や大学紹介をまとめた『米国トップ大学受験バイブル』を出版している
(写真はRoute H提供)
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