難解すぎて一瞬絶望、でもハマる「衝撃RPG」の正体 来夏の超大作「FF16」の監督が作った驚異のゲーム

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ラスト レムナントのプレー画面
時間が経つにつれて、評価が高くなっていきました(画像は任天堂公式サイトより)

『ラスト レムナント』のプロデューサーは「サガ」シリーズで知られる河津秋敏さんです。河津さんが手掛けるゲームは「面白いけど、すごく難解」なケースが非常に多く、『ラスト レムナント』もまたそういったゲームなのです。

正直なところ、このゲームは前情報なしでプレイすると投げ出してしまう人ばかりだと思います。しかし、攻略情報を見て中身を理解すれば、それぞれの要素にどういった意味があり、なぜ細かいコマンド選択をできないのかわかるようになるのです。

実は本作、「思いどおりにいかない状況をいかにコントロールするか」というバトルが魅力なのですから。

戦略を練って勝利をつかんだときの高揚感

私はXbox 360で『ラスト レムナント』を遊んだのですが、まだ攻略本が存在しない時期に遊んだのもあってつらい思いをしました。単なる中ボスに何時間も勝てず、すっかり行き詰まってしまったのです。

しかし遊んでいる友人と情報交換をしてみると、少しバトルに関する理解が深まりました。そこで再び挑戦してみると、中ボスの攻撃を受けたユニオンを一時撤退させ、ほかのユニオンで攻撃を受けるようにするという作戦が見つかったのです。

バトルは30分にも及ぶ長丁場でしたが、ようやく勝利の可能性がつかめました。また、本作は士気に合わせてBGMが変化する仕様になっており、逆転の可能性が出てくるとものすごく燃えるサウンドが流れるのです。

ひたすらに負け、何度も戦略を練り、勝利がつかめそうになってくるとアガるBGMが流れる。バトルの仕組みは極めて複雑ですが、それだけに理解できたときの喜びはとてつもないですし、それを盛り上げる演出もしっかりと存在します。本作で体験したこのときの高揚感は、いまでも忘れられません。

『ラスト レムナント リマスタード』は万人におすすめできるタイプのゲームではないのですが、しかしRPGにおけるバトルの面白さを追求した傑作として、ファンの心に刻まれているタイトルです。挑戦する気持ちを忘れない人に、ぜひ遊んでほしい一作になっています。

・遊べるゲーム機:スマホ(Android、iOS版は販売停止中)、Nintendo Switch、PS4、PS5、PC
・公式サイトはこちら
渡邉 卓也 ゲームライター

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わたなべ たくや / Takuya Watanabe

いわゆるテレビゲームを専門にコラム・評論などの記事を書くライター。大学卒業後はサラリーマンになったが、満足にゲームを遊べない環境にいらだちを覚えて転身。さまざまなメディアにゲーム関連の記事を執筆。駄作に対して厳しく書いてしまうことでも知られる。

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