今後も広がる?JR東の新幹線「コーヒー」販売復活 上越で試行し好評受け拡大、あの「アイス」も

拡大
縮小

JR東日本は乗客の要望や採算性などを考えて、販売する線区の拡大も検討するという。北陸新幹線などでのアイスクリーム販売の好評を受けて、在来線特急の車内販売での復活や、在来線特急でもホットコーヒーの販売が登場することを期待したい。

以前の車内販売では、お弁当も取扱商品に入っていた。東海道新幹線の車内販売では、現在もお弁当やサンドウィッチを扱っている。JR東日本は、具体的な商品の予定は現時点ではないものの、今後も要望の多い商品の提供を検討するとしている。

東北・上越・北陸の各新幹線の走行エリアには、駅弁業者が多く見られる。とくに北陸新幹線は、「峠の釜めし」を沿線の駅で扱っているということもあり、途中駅での積み込みも期待したくなる路線だ。

車内販売見直しにつながるか?

車内販売は近年、列車の高速化による乗車時間の短縮や駅ナカサービスの充実により苦境に立たされていた。そこにコロナ禍が直撃し、鉄道利用そのものが減るという状況となって私鉄も含め全国的にほぼ消滅してしまった。JR東日本の車内サービスでも、「グランクラス」の軽食サービス縮小など、暗い話題が多かった。しかし、今回のホットコーヒー復活、アイスクリームの試行販売は、低迷の続く車内サービスにおいて明るい話題である。

最近は鉄道の利用も復活しつつあるが、今後は車内サービスでもより付加価値が求められるようになるだろう。新幹線車内ではペットボトルや缶コーヒーよりも車内で買えるホットコーヒーを飲みたいという人は多く、人気が高かった商品だ。ほかの車内販売品目の検討も含め、ぜひ取扱列車を拡大して長続きしてほしいものである。

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小林 拓矢 フリーライター

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こばやし たくや / Takuya Kobayashi

1979年山梨県甲府市生まれ。早稲田大学卒。在学時は鉄道研究会に在籍。鉄道・時事その他について執筆。著書は『早大を出た僕が入った3つの企業は、すべてブラックでした』(講談社)。また ニッポン鉄道旅行研究会『週末鉄道旅行』(宝島社新書)に執筆参加。

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