国の債務はいくら増えても金利が低い限りは問題ないのだ、という議論は、今どうなっているのだろう。“普通”に考えると、金利は上がるもので、節操なしに債務が膨張するのは債務の持続可能性の観点から許されないことであった。しかし、この数年は “普通”の議論がむしろオオカミ少年的な捉えられ方すらされてきた。
現状の英国を見れば、財政規律が弛緩した場合の国の信用力の低下がどれだけ恐ろしく、どれだけ影響が大きいものなのか、明らかであろう。トラス政権はあっさりと崩壊してしまった。
財政規律弛緩で政権崩壊
経緯を簡単にまとめよう。政権発足後間もなくの9月23日に公表された「成長戦略2022」で、実質GDP(国内総生産)成長率の中期的目標2.5%達成のため、減税と規制緩和を公表した。エネルギー価格高騰への対策費として半年で600億ポンド、所得税の基本税率1%および最高税率引き下げ、法人税率引き上げの撤回などからなる。
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