ガス欠ならぬ電欠から救う、次世代EV充電器の今 簡単決済や運搬などに対応したモデルが登場

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Bee Meter VPOS Touch
クレジットカード決済に対応したEV向け200V普通充電器のBee Meter VPOS Touch(筆者撮影)

今回、同社が展示した製品のなかで、まず注目なのが、EV向け200V普通充電器のBee Meter VPOS Touchだ。最大出力6kW、国内メーカーなどが販売する一般的なEVに対応する規格SAE J1772コネクタを装備する。また、幅45cm×高さ30cm×奥行き18cmと非常にコンパクトなため、ポール設置はもちろん、壁掛けなども可能とする。

タッチ決済
クレジットカードのタッチ決済にも対応(筆者撮影)

当充電器がとくにユニークなのは、クレジットカードの決済端末がついていることだ。現在、国内でもショッピングセンターなどの商業施設や高速道路のSA/PA、公園など公共施設の駐車場などにEV用充電器が設置され、外出先でもEVの充電が可能となっている。

ただ、その多くは、前述のとおり、事前に会員登録や専用カードの入手が必要など、利用するための手間も多い。一方で、当充電器は、事前の会員登録が不要で、近年利用者も多いクレジットカードで利用料金の決済ができる。また、通信機能を搭載することで、充電器の管理を遠隔で管理できることで、無人の充電サービスを行うことも可能だ。

Bee Meter VPOS Touchの運用状況

Bee Meter VPOS Touch
現在、Bee Meter VPOS Touchの設置され、運用されているスポット(筆者撮影)

当充電器の販売先について、ベルエナジーの担当者は、「主にEV充電器の事業を新規ではじめたい企業などを顧客に想定している」という。だが、まだ採用例は少なく、導入企業を募集中だ。また、知名度を上げる目的もあり、当製品は自社でも運用を行っている。2022年8月には、茨城県にあるゴルフ場「筑波国際カントリークラブ」の敷地内に1基設置し、「BellChargeつくば国際CCスポット」としてサービスを開始。また、10月には、成田空港にあるホテル「成田東武ホテルエアポート」に2基を設置し、「BellCharge 成田東武スポット」として運用を開始した。

給電金額
給電金額の選択画面(筆者撮影)

EVユーザーの利便性を上げるという点では、Bee Meter VPOS Touchはかなり注目で、知名度などが上がれば、今後、導入先が増えることも期待できる。だが、同社担当者によれば、より多くの事業者に活用してもらうには課題もあるという。それは、決済できるクレジットカードが、現在はビザとマスターの2種類しかないことだ。よりユーザーの利便性を上げるには、できるだけ多くの信販会社が発行するクレジットカードなどに対応する必要がある。

そこで同社では、「近々、ダイナースやアメリカンエクスプレスなど、対応できるクレジットカード数を増やす」方向だという。さらに、クレジットカード以外でも、「ペイペイなどのQR決済でも使えるようにする」ことも計画中だ。ご存じのとおり、近年キャッシュレス決済は、日本でもかなり普及しており、とくにスマートフォンで行えるQR決済は利用者が急増している。同社では、そうした多用化する決済システムに対応することが、よりユーザーの利便性を上げ、結果的に当製品の普及につながると考えているそうだ。

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