あややでも話題「ティセラ」時代先取りスゴい戦略 CMはDAPUMPやポルノなど豪華アーティスト揃う
また、ティセラのパッケージも、1990年代は「個性」を重視したポップなパッケージだった。
2002年に発売された松浦亜弥がイメージキャラクターの「胸キュンピーチ」が発売されて以降は、ピンクやハートを基調としたデザインに変化していった。
キュートな松浦亜弥のCMからも充分に伝わることだが、「カワイイこと」を全面的に肯定したパッケージや香りは2000年代の「恋コロンシリーズ」の大きな成功につながった要因ではないだろうか。
ティセラは11年近くも毎回CDをリリースするかのように香りやパッケージを変えて販売されていた。リニューアルをするシャンプーはよくあるが、こんなにも毎回CM効果が大きかったシャンプーは珍しい。
「推し」を意識したプロモーション戦略
今はCMよりもアットコスメなどの口コミ評価や、美容系YouTuber、SNSの宣伝の効果の方が大きく感じる時代だ。
だが、CMや雑誌だけでこんなにも記憶に残るくらい人気になり、現代で置き換えると、まさに「推し」を意識した戦略は、時代を先取りしたプロモーション戦略だったともいえるだろう。
ティセラはCMを通して人気アーティストの曲が耳に流れ、消費者に手に取りたいと思わせ、購入後はその香りを楽しむ……といった商品広告における理想的な流れが毎回ちゃんとできあがっていた。ティセラの話題が上がるたび、各々の思い出とともに香りが語られるのも、魅力的な商品だったことの証だろう。
CMとともに人気を博したティセラだったが、時代は徐々に移り変わり、カラーリングやパーマが定着していったことから、ヘアケア製品は徐々に髪のダメージを補修するタイプにシフトしていった。また、資生堂がメガブランド戦略を打ち出し、ヘアケア部門ではTSUBAKIに経営資源を集中させるため、ティセラはブランド整理の対象となった。
最後のティセラはアーティストの起用ではなく、女優の鈴木杏がCMを務め、歴史に幕を下ろした。だが販売休止から10年以上経った令和の時代でも、その印象的なCMと香りと共に、ティセラは多くの人々の記憶に残っている。
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