売り浴びせられる新興国、際立つブラジルの安定 誰も予想していなかった本物のセーフヘイブンに

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大統領決選投票も影響せずとの楽観論も

30日には大統領選挙の決選投票が行われるが、どちらが勝っても、次期政権は市場に優しい政策を追求するだろうという楽観論が高まっている。

アバディーンの投資ディレクター、ビクトル・スザボ氏(ロンドン在勤)はブラジルについて、「大統領選に向かう段階では予想もしていなかった本物のセーフヘイブン(安全な避難先)のようだ」と指摘。「今年はインフレやウクライナでの戦争、中央銀行の引き締めなど、新興国市場全体にとって非常に困難な年だが、ブラジルは金融市場と実体経済の両方で堅実な投資環境であり際立っている」と述べた。

米連邦準備制度の引き締めに備え、多くの新興国中銀が積極的に利上げしたが、ブラジルの政策金利は1年7カ月前の約7倍と、積極さで抜きん出ている。

これが奏功し、ブラジルは新興国の先陣を切ってインフレのピークを迎え、消費者物価の伸びは3カ月連続で鈍化。燃料などに対する減税策も寄与した。ブラジルの実質政策金利は世界的高水準の6.58%に達し、金利に関する議論は利上げから来年利下げに向かう可能性に移りつつある。

原題:Bruised Emerging Markets Find Lone Bull Case in Volatile Brazil (抜粋)

--取材協力:、、.

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著者:Srinivasan Sivabalan、Netty Idayu Ismail、Leda Alvim

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