10月「児童手当廃止」61万人が試せる回避の手段 年収基準に引っかかっても有効な回避法は多数
注意したいのは、iDeCoは老後の年金制度のひとつですので、一度始めると積み立てたお金は原則として60歳以降まで引き出せない点です。しかし子どもの中学卒業まで児童手当を受け取れるなら、自分の老後のために貯蓄するゆとりも生まれるのではないでしょうか。
このように、年収が高くても児童手当を受け取れる糸口は意外と見つかるかもしれません。
所得は毎年判定、収入が下がったら再申請を
それでも基準所得が上限を超えたらどうなるのでしょうか? もし一度でも超えたら児童手当をずっともらえないかというと、実はそうではありません。一度支給対象から外れれば、その年度は児童手当の受給資格を喪失してしまいますが、もし翌年以降の基準所得が限度額を下回れば、再び受け取る権利は復活します。
ただし受け取るには、再度手続きが必要です。子どもが生まれたときには出生届などとともに役所で児童手当の申請手続きをしたはずですが、それと同じような認定手続きを、窓口で行います。自ら手続きをしなければ、仮に翌年の年収が下がっても児童手当を再び受け取れるようにはなりません。特に年収が毎年1200万円前後で変動している人は注意しましょう。
ここまで児童手当を受け取るための方法を解説してきましたが、基準所得を下げることによる弊害もゼロではありません。節税対策としてよく用いられる、ふるさと納税です。基準所得を下げれば、ふるさと納税で得られる税の軽減効果が薄れるリスクがあるのです。
一例として子ども2人と妻のいる会社員で年収1200万円の場合、子どもの年齢、夫婦共働きかによる多少の差はあるものの、おおむね年間20万~25万円までは、ふるさと納税をした金額のうち自己負担額の2000円などを除いたほぼ全額が、所得税と住民税で軽減されます。つまり20万円ほどの節税ができるのですが、医療費控除やiDeCoなどを行って課税所得が少なくなれば、それだけふるさと納税で受けられる恩恵も小さくなるわけです。
ふるさと納税自体に上限額はありませんので、最大限の節税にこだわらなければ好きな金額を寄付することはできますが、節税効果に影響が出ることは留意しましょう。
iDeCoもふるさと納税も、それぞれ公式サイトにシミュレーション機能があり、年収や家族構成などを入力すると、税の軽減効果や課税所得額を確認できます。夫婦の就業収入、子どもの児童手当、iDeCoやふるさと納税といった税控除制度など、複数の制度をどうバランスよく活用するかはかなり難しいことですが、子育てに少しでもゆとりをもてる戦略を見つけていきたいものです。
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