子どもに「早くしなさい」と言わずに済む納得テク 「すぐやるスイッチ」入れ方を知るのは親の役目
そのうえで有効なのが、心理学の世界で言う「アンカリング(条件付け)」。勉強、読書、日記、ストレッチ、散歩、筋トレなど、“新たに習慣づけたいことを、すでに定着している習慣にくっつける”というテクニックです。
具体的には、
・夕食後の歯磨きをした後に → 明日の学校の用意をする
・朝ごはんを食べた後に → 今日の予習をする
・トイレに入ったら → 単語帳を開いて単語を〇個覚える
というように、すでに習慣化していることの直後に、「新しく習慣化したいこと」をくっつけます。新しい習慣をゼロから身につけるのではなく、すでに習慣化していることの勢いを借りて行動を開始できるのでうまくいきやすいのです。
ポイントは、すでに習慣化している行動の“最後”と、これから習慣化したいことの“最初”の行動を明確にすることです。たとえば、単に「歯を磨いたら明日の学校の用意をする」とするのではなく、「歯ブラシを棚にしまったら、明日の学校の用意をする」といった具合です。
最初は違和感があるかもしれませんが、しばらく続けていくと、歯磨き後に自然と明日の用意に移るといった流れが身に付くでしょう。特に、翌日の学校や塾などの支度は前日に着手しておくとスムーズですので、前日の習慣に翌日の支度というタスクを紐づけてあげることがお勧めです。
頭の中のゴチャゴチャを「見える化」する
2つ目のコツは、「紙に書き出す」ことです。学校の勉強や部活、行事があり、塾もあって友達付き合いもある。子どもの世界も意外と忙しく、あれもこれもやらなきゃいけないと焦り、頭が混乱することもあるでしょう。
そんなときに、「気になっていること」を思いつくままに紙に書き出すのです。最初は親が子どもに「今、何が気になっているの?」とミニインタビューして話を聞き、一緒に書いてあげてもいいですし、子ども自身に書かせてみて、「そうそう、そうやって書けばいいんだよ」と促してあげてもいいでしょう。
・部活の試合に向けて自主練をしたい
・明日提出の宿題を早く片付けたい
・塾の宿題を明後日までに終わらせなければならない
・来週のテスト勉強にも取り組まないといけない
・LINEで友達に返信したい
・テレビ番組を見たい
・ゲームをしたい
など、最初はタスクを箇条書きするだけで構いません。
気になっていることを文字として書き出すと、頭の中だけで抽象的に考えていたことが可視化されるので、思考の整理ができて驚くほど頭がスッキリします。
さらに、自分が書いたメモを眺めることで、自分の思考・感情・状況・行動を客観的に分析することができるようになります。
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