濃厚で官能的な「ベーコンエッグ」家で作る簡単技 カリカリベーコンと卵黄が食欲そそる朝の定番

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ベーコンの脂で焼いていくので、油ハネを防ぐために、卵の白身の水っぽい部分をザルなどで除去します。水っぽい部分は水様性卵白という部分で食べられますが、鶏の餌に由来する臭みなどが残っている場合があり、除去したほうが濃厚な味になります。

水様性卵白は少量ですが、捨てるのがもったいないという場合はみそ汁(みそは臭みを消す効果が強い)に入れてください。

白身を取り除いた卵
卵1個分であれば、茶こしなどを使ったほうが簡単です

ベーコンの脂が残っているフライパンに卵を入れ、再び中火にかけます。

フライパンに投入した卵
たっぷりのベーコンの脂で揚げ焼きにします

卵の周りが固まってきたら、スプーンで脂を白身部分にかけながらさらに焼きます。フライパンを傾け、脂を手前に集めるとかけやすく、フライパンが熱源から離れるので温度調整もできます。

卵の白身部分に脂をかけながら焼く
写真は1人分を焼いていますが、2人分の場合はもちろん2個同時に焼いてください

焦げ色がついたら最初に焼いたベーコンをさっと温めます。温めるだけが目的ななので加熱しすぎには注意。

焼き色がついた卵
白身の縁にカリッとした焼き色がつくぐらいが目安です

皿にベーコンを敷き、目玉焼きをのせます。そこにカリカリベーコンを添えます。全体に粒の粗い塩(フルール・ド・セルやマルドン・クリスタルシーソルトなどがおすすめ)をちらします。好みで黒胡椒を挽いてもいいでしょう。

出来上がり。

カリカリベーコンを手で砕いて、フォークとナイフで食べてもいいでしょう

ベーコンエッグにはやはりカリカリに焼いた薄切りの食パンがよく合いますが、醤油を少しかければご飯にもよくあいます。焼いたベーコンにはさまざまな香りが複雑に含まれているので、あらゆる食材と相性がいいのです。

シンプルな料理だけに1つひとつの工程をきちんと踏むことが重要ですが、それ以上に食材選び(この場合はベーコン)が味のカギを握ります。料理の味は技術ではなく、食材で決まるのです。

(写真はすべて筆者撮影)

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樋口 直哉 作家・料理家

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ひぐち・なおや / Naoya Higuchi

1981年東京都生まれ。服部栄養専門学校卒業。2005年『さよなら アメリカ』で第48回群像新人文学賞を受賞しデビュー。著書に小説『スープの国のお姫様』(小学館)、ノンフィクション『おいしいものには理由がある』(角川書店)、『新しい料理の教科書』(マガジンハウス)、『最高のおにぎりの作り方』(KADOKAWA)などがある。

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