会社員「家なしアドレスホッパー」の非日常生活 月額4万円超、定額制住み放題で90拠点を移動
「東京で一人暮らしをして普通に出社して働いていた頃は、サザエさん症候群だったんです。日曜日の夜に『あぁ、明日からまた月曜日が始まるのか……』って毎週、憂鬱でした。
今は転職もして、多拠点生活で好きな場所で仕事ができて、自分が納得して選んだ人生を送れているので満足してます」。
いちばん好きな拠点は? と聞かれたら、決まって答えるのが長野県白馬村だという。40〜50人の知り合いがいるほど通い詰めた場所で、何より白馬村の四季折々の風景が圧巻だという。
「夏の晴れた景色はスイスかなと思うくらいの絶景で、川の水できゅうりやトマトを冷やして食べることもあります。秋は三段紅葉といって、雪の白、紅葉の赤、木々の緑が一度に見られるんです。冬はスキーが楽しめますし、春は桜がきれいだし、自然のスケール感が圧巻ですよ」。
三段紅葉を眺めながら仕事する。なんとも幸せな環境だが、アドレスホッパーという特異な暮らしに西出さんが適応するまでには数々の失敗があった。
失敗① 会話がストレスになる “人疲れ”
「始めたばかりの頃は出会う人たちが面白くて、楽しかったんです。同世代なのに生き方がバラバラで刺激的でしたし。上は80歳、下は1歳までいて、コロナ禍なのにまったく孤独を感じない2年間でしたね。
ただ、時間が経つにつれ、自己紹介が続く毎日に疲れてきたんです。相手の話を聞く時間が増えれば、自分の時間も減るし、会話がストレスになってきちゃって」。