何が起きた?西九州新幹線「開業初日」の一部始終 部分開業がネック、やはり「長崎は雨」なのか?

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6時17分、上り一番列車「かもめ2号」がつつがなく出発。それを見送ったのち、6時57分に発車する上り二番列車「かもめ4号」の自由席に乗車した。

その自由席は、横ならびになっている5席のうち、3人掛け中央席にだけ空きがあるぐらいの乗車率だ。

諫早駅に到着する前、「かもめ」の警笛が突然響いた。不思議に思っていると、窓の外に手を振っている人たちが見えてきた。

トンネルを抜けて大村湾が見えてくるとシャッター音が聞こえ、下り一番列車の「かもめ1号」とすれ違った新大村駅付近では、空に少なくとも3機のヘリコプターが確認できた。

7時28分、上り二番列車は終点の武雄温泉駅に到着。そして向かいのホームから7時31分、博多駅までのあいだをつなぐ在来線特急「リレーかもめ4号」が発車していく。

しかしその後も、武雄温泉駅ホームには多くの人が残っていた。対面乗り換えの様子を撮りに来た人などだろう。

同様に対面乗り換えの時期があった九州新幹線の新八代駅を思い起こすと、今後、武雄温泉駅は列車が到着した瞬間、一瞬の雑踏があってすぐ落ち着くのが普段の姿になりそうだ。

このように、にぎやかな時間が続く武雄温泉駅ホームは、いまだけの光景かもしれない。

なお西九州新幹線「かもめ」の乗車率について、JR九州によると、開業日の9月23日は、指定席が90パーセント、自由席が77パーセント、平均で82パーセントの乗車率だったという。

利用が多かった列車は、下り一番列車「かもめ1号」の平均123パーセント(指定席99パーセント、自由席139パーセント)、上り一番列車「かもめ2号」の平均106パーセント(指定席97パーセント、自由席112パーセント)だそうだ(いずれも23日15時現在のデータ)。

長崎はやはり雨なのか?

西九州新幹線が開業した9月23日の11時00分から、長崎駅前のホテルで、長崎県らの主催による「西九州新幹線(長崎~武雄温泉)しゅん功開業祝賀会」も開催されている。

筆者も招かれて出席し、「瑞宝太鼓」「かわち家・祝い餅つき」「長崎検番」「長崎観光龍踊り会」のアトラクションを楽しんだのち、最後に人生初の万歳三唱を体験することになった。

それが13時前に終わると、次は13時30分ごろから、航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」による演技が長崎駅上空で始まる。

しかし祝賀会を終えてホテルから出たとき、長崎は雨だった。ツイッターを見ると、そんなタイトルの名曲を引き合いにして悲しむ声が、多く投稿されていた。

「ブルーインパルス」は、予定されていた演技をキャンセル。ただ、スモークを出しながらの編隊飛行を何度か披露してくれた。その実力をフルに発揮できる気象条件ではなかったのが惜しまれるところだ。

とはいえ雨の中、長崎駅前のデッキを埋め尽くさんとばかりに集まっていた老若男女は、誰かの発した「来た!」の声をきっかけに一斉に空を見上げ、歓声をあげていた。西九州新幹線「かもめ」の誕生日が、より特別なものになったのは間違いない。

恵 知仁 鉄道ライター

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めぐみ・ともひと / Tomohito Megumi

鉄道を中心に、飛行機、船といった乗り物全般やその旅について、取材、記事執筆、写真撮影、書籍制作などを行ってう。子供のころからの鉄道好き、乗り物好きで、日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車(完乗)。2014年にウェブメディア「乗りものニュース」を創設し、約6年間、初代編集長を務めた(現在、そのメディアならびにその運営会社とは無関係)。2級小型船舶免許取得。早稲田大学第一文学部卒業。

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