米国債2年物利回りが07年以降初の4%突破の勢い インフレ防ぐため景気後退辞さぬ中銀姿勢背景に

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米国債2年物利回りは2007年以来の4%突破となる勢いだ。米連邦準備制度の急速な利上げが短期の米国債利回りを押し上げている。

2年債利回りは20日、4.5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し3.98%を付けた。年初来の利回り上昇幅は3ポイントを上回り、1994年以来の年間上昇率に向かっている。

  

 

10年物のインフレ連動債(TIPS)利回りもこの日、2011年以来の高水準に達した。10年物TIPS利回りは一時4bp上昇し1.18%を付けた。

  

ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値では、米連邦公開市場委員会(FOMC)は21日に0.75ポイント利上げを決める見込みだが、96人中2人は1ポイント利上げを見込んでいる。

ノムラ・オーストラリアの金利ストラテジスト、アンドルー・タイスハースト氏は「中央銀行はためらうことなく、インフレ抑制のために必要ならリセッション(景気後退)も辞さないという明瞭な兆候がある。これは世界的な短期債の利回り上昇を意味する」と話した。

ノムラとUCLAアンダーソン・スクール・オブ・マネジメントは1ポイント利上げを予想。そのような動きは「米2年債利回りを短期的に4%超に押し上げるのに十二分だろう」とタイスハースト氏は述べた。

原題:US 10-Year Real Yield Rises to Highest Since 2011 on Fed Bets、Treasury Two-Year Yields Head for 4% Ahead of Big Fed Rate Hike(抜粋)

(2段目の利回りを更新し3段目に実質利回りを追加して更新します)

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著者:Garfield Reynolds

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