世界が注目ECBの利上げと量的緩和の手じまい方 保有債券売却に域内各国が異なる反応を示す懸念
欧州中央銀行(ECB)の政策委員会を巡り、ウォール街が注目しているのは政策金利だけでない。5兆ユーロ(約718兆円)規模の保有債券の扱いも関心事だ。
ECBは8日、2会合連続の利上げを発表する見込みだが、バンク・オブ・アメリカ(BofA)やモルガン・スタンレー、シティグループのストラテジストは、いわゆる量的引き締め(QT)に関する政策のヒントも期待ししている。
ECBの場合、保有債券の圧縮は域内各国の国債利回り格差を拡大させるリスクがあるものの、満期償還金の再投資を続ければ物価上昇圧力をさらにあおって、金融緩和縮小の取り組みにも逆行する恐れがある。
BCAリサーチのチーフグローバル債券ストラテジスト、ロブ・ロビス氏は「バランスシート拡大を止める動きを示さずに利上げを続けることは、信頼できる政策の組み合わせではない」とした上で、「政策委員会はユーロ圏のインフレオーバーシュートに対して信頼できる金融政策の対応を示す必要があることを理解している」と述べた。
金融緩和巻き戻しの次のステップであるQTについて、ユーロ圏ではまだあまり話題となっていないが、一部当局者はこれが近く議論されなければならない問題だと主張している。
米連邦準備制度は利上げだけでなく保有債券の圧縮についてもECBに先行。イングランド銀行(英中銀)も保有国債売却の計画を打ち出している。
しかし域内各国の債券市場が金融政策の変化に対して異なる反応を示すという懸念のために、ECBにとってQTは複雑な問題となっている。
原題:
Wall Street Seeks Clues on ECB Plans for $5 Trillion Bond Pile(抜粋)
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著者:Alice Gledhill、Jana Randow
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