ついに引退、JR北「キハ281系」は何がすごかった? 全盛期は函館―札幌間を3時間以内で結んだ
JR北海道は現在函館―札幌間を結ぶ特急「北斗」で活躍しているキハ281系の定期運用を9月30日で終了し、10月22・23日のラストランで引退することを発表した。キハ281系はJR北海道初の振り子式車両として1992年に試作車が登場。1994年3月から「スーパー北斗」として営業運転を開始した。
しかし営業デビューから今年で28年となり、老朽化が進んでいるため、キハ261系1000番代に置き換えられて、引退することになった。ここではキハ281系のすごさを再確認したい。
独特なゲンコツスタイルを確立
キハ281系はステンレス車体を採用。乗降扉は外プラグドアとして気密性を高めた。車体側面は無塗装を基本として乗降扉を沿線の噴火湾をイメージしたコバルトブルーに塗装し、萌黄色をアクセントとしている。側窓の周囲と窓柱は黒く塗装して、連続窓風としている。
先頭部は普通鋼を使用し、コバルトブルーで塗装した。特徴的なのは高運転台形貫通構造を採用したこと。運転台窓の上下に前照灯、下に尾灯を配置したシンプルな造形とし、ゲンコツスタイルと呼ばれた。
高運転台は重心が高くなるため、車体を傾斜させる振り子車両に好ましくない。しかしあえて運転台を採用した理由は、踏切事故の際の乗員保護が目的だった。これは1991年1月に発生した日高本線の踏切事故で運転士が両足切断という重傷を負ったことが教訓となっている。
ゲンコツスタイルの先頭部形状はキハ283系、キハ261系、789系でも採用されていて、JR北海道の特急車両の顔となった。
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