中国自動車大手が「自社開発」の車載電池量産へ 広汽集団、新会社を設立して2173億円を投資

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広汽集団は自社グループの車載電池の技術力に自信を見せる。写真は広汽AIONが開発したリン酸鉄系のリチウムイオン電池(広汽集団のウェブサイトより)

中国の国有自動車大手の広州汽車集団(広汽集団)は、自社グループで開発した車載電池の量産に乗り出す。同社は8月25日、車載電池の開発・生産を担う新会社「緑擎電池」を設立すると発表した。このプロジェクトの総投資額は109億元(約2173億円)に上る。

緑擎電池には広汽集団傘下のEV(電気自動車)メーカーの広汽埃安新能源汽車(広汽AION)が51%を出資し、主導権を握る。さらに、広汽集団の独自ブランドの乗用車を製造・販売する広汽乗用車が40%、広汽集団のクルマの販売や輸出を手がける広汽商貿が9%を出資する。

広汽集団によれば、緑擎電池の最初の製品はリン酸鉄系のリチウムイオン電池となる。2022年末から工場建設に着手し、2025年に年間生産能力26.8GWh(ギガワット時)の生産ラインを完成させる計画だ。

量産の初期段階では、主に広汽グループ内に車載電池を供給する。その後は市場の需要に応じて、グループ外への販路開拓も目指すとしている。

電池技術の蓄積に自信

広汽集団は6~7年前から車載電池の研究開発を独自に進めてきた。「広汽集団の自動車エンジニアリング研究所は、リン酸鉄系リチウムイオン電池、三元系リチウムイオン電池、半固体電池などの分野で技術的蓄積がある」。2021年11月に開催された広州モーターショーの期間中、取材に応じた広汽AIONの古恵南総経理(社長に相当)はそう自信を示した。

現在、広汽集団の電池開発人材と知的財産権は広汽AIONに集約されている。同社は2021年10月、自社開発したバッテリーセルの量産技術を会得するため、3億3600万元(約67億円)を投じて中規模の生産ラインを構築すると発表した。

本記事は「財新」の提供記事です

緑擎電池の設立と同時に、広汽集団は出資先の巨湾技研が開発した超急速充電に対応する車載電池の生産拠点建設への投資も決めた。

巨湾技研のプロジェクトの総投資額は36億9000万元(約736億円)。同社は広汽集団の社内ベンチャーからスピンオフした新興企業で、超急速充電対応の車載電池とともに蓄電システムの研究開発と製造を手がけている。

(財新記者:黄栄)
※原文の配信は8月26日

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