金曜夜の飲み会も土曜のサッカーの練習もキャンセルして、世界の投資家は今年最重要の中央銀行会合に備えている。
ジャクソンホール会合(カンザスシティー連銀主催シンポジウム)でのパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長講演を前に、ウリィ銀行のエコノミスト、ミン・ギョンウォン氏はソウルのレストランでふぐを食べるのをあきらめ、議長が話す間、画面に貼り付いていることにした。
「これは米雇用統計よりも重要で、過去のジャクソンホール会合よりもさらに重要だ。いつも木曜か金曜には飲み会があるが、今週は参加しない」と同氏は話した。
東京やシドニーでも市場参加者らがディナーや週末の予定をキャンセルして29日の取引に備える。パウエル議長の発言が世界の金融引き締めの道筋についての見方を変えれば、週明けのアジア市場は荒れ模様となるだろう。
最近の市場の動きはトレーダーらの不安を示している。世界の株式相場は今週初めに下落。債券利回りも上昇した。CBOEボラティリティー指数は8月半ばの低水準から急上昇した。
テリマーのシンガポール消費株調査責任者、ニルグナン・ティルチェルバム氏は一石二鳥を狙う。パブでの夜を楽しみながら市場を見張るつもりだ。「ボートキーのバーにいつもより遅くまでいるつもりだ。ヘッジファンドやロングオンリーの顧客も加わると言っている」と同氏は述べた。
一方、キャピタル・ドット・コムのトレーディング責任者、ブライアン・グールド氏(メルボルン在勤)は、ロンドンおよび米国の同僚とのミーティングのために夜更かしをし、パウエル議長の講演でボラティリティーが急上昇した場合の市場監視に加わる計画だ。
「シドニー時間の真夜中になるので望ましくはないが、やるべきことをやる」と語る同氏は、29日の夜明け前にコリンズストリートのオフィスに到着する予定。「週明けの動きは夜間と大きく異なる可能性がある」として、ジャクソンホール会合を控えたポジション解消が見られたと説明した。
SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリストも警戒を怠らない。いつもは土曜日にサッカーの練習に行くが、大忙しとなる可能性のある月曜日に備えて予定を変更した。
27日の朝はまずジャクソンホールをチェックし、29日の朝に情報を配信するため日曜の午後も仕事をすると同氏は話した。
FRBのしっぺ返し恐れ、マネーマネジャーは夜も寝られず
原題:
Happy Hour Canceled, Midnight Watch as Funds Brace for Powell(抜粋)
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著者:Ruth Carson、Jaehyun Eom
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