ビジネススクール(経営大学院)時代から親友だった若者2人は、ゴールドマン・サックス・グループとバークレイズというウォール街のトップ金融機関に就職し、マンハッタンの同じ高層住宅に住み、スカッシュを定期的に楽しみ、国外にも一緒に出掛けた。
しかし、犯罪の証拠となるテキストメッセージを削除するよう友人が頼んだとされる様子を盗聴器を身に付けた片方が録音した。
ゴールドマンの元バンカー、ブリジェシュ・ゴエル被告は、インサイダー取引を巡る容疑で先月逮捕され、その後起訴された。事情に詳しい複数の関係者によれば、同被告の友人で、訴追請求状では「共謀者1」と呼ばれた元バークレイズのトレーダー、アクシャイ・ニランジャン氏が相棒と敵対した。
録音された内容によると、ゴエル被告(37)はニランジャン氏(33)との会話で、「これは削除する必要がある。われわれは何か取引に関わったか。この雑談さえ自分はしていない」と話していた。
犯罪や多額の資金が動く世界で裏切りは決して珍しくないが、米連邦捜査局(FBI)の捜査対象になれば、最も親密な関係さえ引き裂かれる状況を一連の経緯は物語る。
裁判所に提出された文書によれば、ウォール街で身を立て、楽しい時間を共にしてきた2人の若者は、進行中の合併・買収(M&A)案件に関する詳細な情報を利用して取引を行ったとされる。2人はいずれもインド出身で、進学先であるカリフォルニア大学バークリー校のハース ・スクール・オブ・ビジネスで2012年に知り合った。
マンハッタンのニューヨーク州南部地区連邦地裁での公判で、ゴエル被告は証券詐欺と共謀、司法妨害について無罪を主張。被告側のリード・ブロツキー弁護士は「残念ことだが、1人のもっともらしい思い込みに基づいて、ブリジェシュ(ゴエル被告)の訴追を連邦当局は急いだようだ」との声明を出した。ニランジャン氏の代理人ロバート・アネロ弁護士は、コメントを控えている。
原題:
Finance Bromance Ends With Pal Wearing a Wire in Insider Case(抜粋)
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著者:Greg Farrell
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