ジム・ロジャーズ「今から『日本終了』に備えよ」 何もしないと日本人の年金は目減りする一方だ
インフレの怖さを気にし始める頃には手遅れになるリスクもあると言います。そのために早期から「プランBへの準備が必須だ」と言います。
必ずやって来る日本の危機に備えた「プランB」とは?
私は、シンガポールで仕事や学校関係でアメリカ人と関わる機会も多く、アメリカに住んでいる友達も多いのですが、彼らと話していると、どんな小さなことでも、当初の計画がうまくいかない場合に備え「プランB」(次の手、代替案)を持っていることに気づかされます。たまに準備をしておらず、動揺している人も見かけますが、その際もすぐに「プランB」を考え、実行しています。
例えば、新型コロナウイルスが流行りだした2020年のはじめでも、学校では対面授業が難しくなったと見るや、いつのまにか「次の日からオンライン授業を始めます」という通知が来るなど、とにかく決断と行動が早いのです。
ロジャーズ氏は日本人に対してもプランBを準備しておくようにと強く言います。大きな危機が目の前に迫ってきた場合、すぐに手を打たなければ手遅れになるからです。今後の日本には、財政などマクロ的な危機のほかにも、地震などの自然災害、さらには台湾有事など地政学リスクの高まりなどが予想されるからです。
「大恐慌のような未曾有の危機に見舞われた場合に備えて、第1に、海外に一部資産をおいておくこと、第2に、流動資産を常に持っておくことが必要だ。そして、第3に、自分自身で考え、他人が推奨している銘柄をむやみに買わないことも重要になる。さらに、もう1つ、プランBの一環として、子供に他国の言語を習わせることも、次の人生を広げてくれることになるだろう」
ロジャーズ氏が言うとおり、有事の際に備えて、手元の最低限の現金や、すぐにATMから引き出せる普通預金など、一定のお金は換金のしやすい形で置いておくべきでしょう。また、株式や債券などの流動資産も、数営業日で現金に変えることが可能です。そして、もし、近隣諸国で有事が起きた場合でも、そこから離れた海外に口座や拠点があると、やはり安心感があるでしょう。それは保険のようなものです。
「もし明日、大恐慌が来て、そのときに元手の何倍も取引ができるレバレッジ取引をたくさんしていたり、流動性のない資産ばかり持っていたら、全資産を失う可能性がある。しかし、流動資産があれば大恐慌を生き残ることができる」
ロジャーズ氏は、経済危機について、賢い企業経営者なら、悪い膿を出し切らせ、復活するきっかけになる可能性があると言います。また一部の人にとっては大もうけするチャンスでもあります。そのため、危機やクラッシュは必ずしもわるいことだけではないとよく口にします。
「『危機』は、その文字の通り、危険の後にはチャンスが来るということでもある。一定の流動資産があれば、その機会を手に入れる原資にもなるはずだ」
プランBをしっかり準備をして、災い転じて福となすことができるようにしたいところですね。
(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
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