年間1万台以上が売れている“普通のフェラーリ”では誰も注目してくれない現状と、より個性をアピールしたいという世界的なトレンドは、ロールス・ロイスにとって追い風となっている。
先日「ファントム・シリーズⅡ」の発表に際して、ロールス・ロイスから次のようなコメントがあった。
「(ファントムは)ビスポークによる個別化のための“真っ白なキャンバス”として提供できるよう意図的にデザインされており、お客様が望むどのようなスタイルにも対応可能であり、お客様一人ひとりのスタイルと個性を忠実に反映させることができます」
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”ビスポーク”とは、顧客の要望に応じて各部をカスタマイズするシステムを称しているのだが、そもそも顧客の要望に合わせて限られた台数の超高級車を作るというポリシーは、ロールス・ロイスの本質でもある。
ロールス・ロイスでは多くの車両が受注生産であることもあり、ほぼすべてにこのビスポークが採用されているという。それは、その車両に対するオーナーの愛着をより高めるだけでなく、メーカーにとっても販売単価を上げるという大きな経済的メリットがある。
冒頭に述べたように、オプションだけで1000万円を超えることもあるのだ。ロールス・ロイスに限らず、このビスポーク(=カスタマイズ)は、これからのラグジュアリー・ビジネスの重要なファクターとなる。
世界最古のコンクール・デレガンスにて
さて、そんな絶好調のロールス・ロイスであるが、今年も5月の「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステ」にて、インパクトあるプレゼンテーションが行われた。
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この北イタリア・コモ湖畔で開催される世界最古の自動車コンクール・デレガンスではこのところ、とんでもなくインパクトのあるロールス・ロイスがアンヴェールされるのが常であった。
ちなみにこのイベントはロールス・ロイスの親会社であるBMWが主催するもので、長い歴史を持つロールス・ロイスの存在感はきわめて高い。
今年は、「その美しい姿をじっくりと見てほしいから」とヴィラ・デステの展示を1日前乗りする形で、対岸のマンダリン・オリエンタルホテルで発表するとアナウンスされたから、期待はさらに高まった。
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