「夏休みは自室で勉強するな」東大生が言い切る訳 受験の天王山である夏に勉強の質を上げるコツ

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もっといえば、そうやって外で勉強して、家の中ではまったく勉強しない、という人も少なくありません。

こんな笑い話もあります。親御さんが、子供があまりにも家で勉強していないから「本当にウチの子は外で勉強しているんだろうか」と思い悩んでいたら、半年後にちゃんと東大に合格して、塾の先生から「お宅の息子さんはすごく勉強していましたね! 私は彼が勉強以外のことをしているところを見たことがありませんでしたよ」と言われたのだとか。それくらい、東大生は意外と「外で」勉強する習性があります。

「外」というのは、自分の部屋の外という意味です。実はけっこう多いのは、家の中でも自分の部屋ではなくリビングで勉強しているという場合です。リビングで、親御さんが料理とかしている横でずっと勉強していた、という受験生も結構な割合でいます。

自分の部屋には誘惑が多い

逆に、自分の部屋で勉強することには大きな落とし穴があります。それは、やる気がないと誘惑が多いということです。

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最近の研究でわかっていることなのですが、ポケットにスマートフォンが入っている状態で勉強している人と、そうでない人とでは、勉強の効率が大きく異なるのだそうです。一度もスマホを見ていないにもかかわらず、ポケットに入っているというだけで、効率が下がるのだそうです。

これはつまり、誘惑があって、意識がそっちに向いているとなかなか勉強がはかどらないということにほかなりません。自分の部屋での勉強というのは、スマホをはじめとしてやはり誘惑が多く、うまくいかないことも多いのです。

「でも、人が見ているところだとなかなか集中できない……」

なんて考える人もいるかもしれません。たしかに、ほかの人の視線というのは集中力を下げる要因になると言われています。集中という観点から言うと、ほかの人がいる空間というのはマイナスな場合も多いです。

一方で、集中力が切れてきたときや、あまり身が入っていないときには、誰かが見ているところのほうが、勉強や仕事を継続することができる場合が多いというデータもあります。

当たり前の話ではありますが、やはり自分の部屋だとサボっていても誰も注意してくれません。そうなると無限にサボってしまって、うまくいかないことが多いのです。勉強や仕事をするのが当たり前の空間に行き、ほかの人の視線も入るような場所で勉強するのは効果的だと言えます。

そして親御さんはぜひ、リビングを整理しましょう。いつでもお子さんが勉強できる環境を整えておくことが、親御さんにできる最高のお子さんへのプレゼントになるはずです。もちろんそこではあまり勉強に口出しはせず、きちんと見守ってあげていただければと思います。

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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